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男鹿、ベル坊、神崎、姫川、東条、邦枝、コハルは氷の城と化した摩天楼の目と鼻の先まで来ていた。
王臣紋が仄かな光を発している。
まるで誘うかのように。
凍りついた地面を走り、内部へは北口から堂々と足を踏み入れた。
先頭の男鹿がドアを蹴破る。
エントランスには待ち構える氷のイバラがあった。
男鹿達を狙い、不気味に蠢きながら向かってくる。
「任せて」
前に出る男鹿を手で制し、コハルは『クライムカード』を取り出した。
「言ったでしょう? あなた達には体力を温存してもらわないと」
かざしたカードから炎が飛び出し、氷のイバラを燃やす。
動きが鈍くなる氷のイバラ。
「走って!!」
それを見計らい、コハルは声を上げた。
男鹿達は頂上を目指して走り出す。
*****
玉座に座り、肘かけにひじをつけて頬杖をついていたジジは、男鹿達の気配を感じ取り、顔を上げて口角を上げた。
「…やはり来たか」
閉じていた目を片方開ける。
「因幡桃が呼んだか…。好都合だ」
「ジジ様」
玉座の前に並列するのはバッドパーツだ。
中心にいるシルバは前に出て跪く。
「貴様らには存分に働いてもらおうか」
「お任せを」
「それならノリノリで××なのを持ってきてやりますよ」
ヘラヘラと笑いながら言うダッチ。
「調教してからじわじわ殺すってのもゾクゾクするわねぇ」
指先を舐めて頬を赤く染めるフロリダ。
「誰が誰の相手をするのかお決まりですか?」
髪を掻き上げるライラック。
それを横目にダッチはくつくつと笑った。
「また間抜けな事態にならねーように気を付けねーとな、ライラック」
「…ダッチ、先にあなたを殺して、ライラックがあなたの担当ももらいましょうか?」
「いいねぇ。準備運動に付き合ってくれんの? 痛いとこつつかれて短気起こしてんじゃねーよ××」
右手の指を鳴らすダッチと、刃のないナイフの柄を取り出すライラックが殺気立つと、その真ん中に、ずい、とタンが割り込む。
「やめろ。ジジ様の御前だぞ」
「血の気が盛んでなによりだ…。しくじるなよ、貴様ら」
冷たい刃のような視線だ。
ダッチとライラックは背筋が凍りつくのを覚え、互いに離れた。
「期待しておるぞ」
(コマとしてな…)
口元を三日月形に歪ませ、ジジはバッドパーツを見送った。
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