77:昔の敵は今日のなんでしょう。
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「エレベーターは停止させろ!!」
「侵入者をうさぎ小屋に入れるな!!」
「見つけたぞ!!」
「現在、敵は最上階へ向かっているもよう!! 繰り返す…」
「「「「「どけぇぇえええ!!!」」」」」
上階に残っている卯月の者達が男鹿達に真正面から襲いかかるが、男鹿達はものともせず、卯月の者達を殴り、蹴り飛ばしていく。
「ひ…っ!!」
「なんだあのガキ共は!!」
相手はベル坊を含め10人。
こちらはそれ以上の数で向かっているのにまるで歯が立たない。
男鹿は相手を壁にめり込ませ、邦枝は木刀一振りで数人を吹っ飛ばし、神崎は相手の脳天に踵落としを食らわせ、姫川はスタンバトンの電撃で気絶させ、東条は一度も止まることなく目についた者を殴り飛ばし、桜は大鎌を振るって悪夢で相手を悶絶させる。
猛進する男鹿達のあとをついていくフユマ達は、その光景に頼もしさを覚えた。
「心強いな」
「簡単に血路が開いてくね」
「最上階はすぐそこ。『バッドパーツ』に遭遇しなければ時間はかかりません」
その『バッドパーツ』も姫川の策略により、地下に移動し、古市達と交戦中だ。
「もうひとつ護衛があったはず…。出入口の護衛達が…」
思い出したように鮫島が口にすると、フユマは「ああ」と答える。
「『バッドフラグメント』。卯月の一族の中からジジ様によって選ばれた4人組だ。実力は『バッドパーツ』以下だが、悪魔と契約してない人間の軍隊相手なら全滅させるほど…。敵の侵入も逃走も許さない」
「…死人が出るかもしれないことは想定してるのかな、あいつは」
ユキの視線が先を走る姫川に移る。姫川は聞こえていない様子で、目の前の敵の腹を蹴り飛ばしていた。
(それとも、本当に仲間が勝つと『信じている』の?)
信じることがなんなのか理解できないユキにとっては疑問でしかなかった。
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