67:スキです、アイしてます。
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朝陽がのぼりはじめ、堕天組との決着もつき、男鹿達は家路についた。
「……………」
その場にいたひとりを除いては。
屋上のフェンスに腰掛けたなごりは、スマホを耳に当て、赤い瞳で誰もいなくなった校舎を見下ろしていた。
男鹿の爪痕を残し、半壊した校舎。
「…見えてるだろう? チート的にもほどがあるよな、男鹿氏は。噴き出した魔力の結果がコレ…。前よりも十分扱えてるし、敵に回したら本当に厄介な存在だ。今のアンタじゃ、確実に負ける…」
小さく笑い、なごりはフェンスから立ち上がる。
「―――わかってるって…。そうしないためにも、早くハニーのハートをキャッチしないと…。―――そろそろだ。春もすぐそこ」
冷たい風が吹き、なごりの髪をなびかせる。
なごりは鼻をひくつかせ、風の中に、わずかに混じった春の匂いを嗅ぎ取った。
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