65:裏切りですか?
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「そう…。オレ達が寝てるわけにはいかないっっ。グッナイ!!」
いつものポーズをとっていつもの決め台詞を吐く下川に、夏目が「どっちだよ」と小さくつっこむ。
石矢魔町の夜は眠らない。
満月の下、古市を助けるため、因幡、夏目、城山は石矢魔高校へ向かい、途中で、陣野、相沢、大森、谷村、花澤、下川と合流して校舎のすぐ前まで来ていた。
「なーんか、あれを思い出しますねー」
唐突に言い出したのは花澤だ。
「あれ?」と聞き返す大森。
「ほら、悪魔野学園の時」
人差し指を立てて口にする花澤に、大森は「あぁ」と思い出したように言う。
「あんまりいい思い出ないけど」
「気づいたら校舎燃えてたもんねー。アハハハ」
夏目が笑うと、因幡は「笑うとこかよ」と引きつった笑みを浮かべた。
夏目が「まぁでも―――…」と言い出した時、因幡達は堂々と正門を潜り、先着した神崎と邦枝にやられた姫ラーと、門番を交代しようとやってきてそれを発見した姫ラーを見つけた。
「誰にやられた」
「…神崎デニーロ…」
「デニーロ…?」
そのあと、姫ラー達は複数の足音に気付き、振り返った。
夏目は言葉を続ける。
「男鹿ちゃんと古市っちゃんが戦ってんだ。オレ達が寝てるわけにはいかないっしょ」
「東邦神(姫)も参加してることだしな」
隠れもせずに侵入してきた因幡達に、姫ラー達は仰天して叫んだ。
「「「せっ、聖組―――――っ!!!」」」
騒ぎを聞きつけ、他の姫ラー達が集まるのにそう時間はかからなかった。
姫川特殊部隊隊長を名乗るひとりだけ蝶ネクタイをつけた男が出てきても、相沢が文字通り一蹴。
集合した300人近い姫ラー達が、目の前のたった9人の聖組に一斉にざわめきだした。
「相沢…」
「それに陣野まで…」
「めったに出てこねーのに…」
「夏目もいるぞ」
「冷酷兎もだ…」
「怯むな! 相手はたかだか数人! こっちは数百人だ!」
「まさに多勢に無勢…」
「姫川様のためにも…!!」
ゴッ!!
最後に言い出した姫ラーにドロップキックをかましたのは、因幡だ。
後ろにいた数人まで巻き添えに吹っ飛ばしてしまう。
「姫川様姫川様ウゼェよ、ニセモン共が…!!」
嫌でも彷彿させる群れに、因幡の苛立ちは頂点に達していた。
明らかに虫の居所が悪い因幡に姫ラー達は思わずたじろぐ。
「さっさと引き上げた方がいいかもよ。彼、今、とっっても不機嫌だから」
笑顔で忠告する夏目だが、挑発ととらえた姫ラー達は、ある者はコブシを鳴らし、ある者は得物を構え、ある者はリーゼントを整えて立ち塞がる。
「な…、ナメるな…!!」
「聖組がどうした…!!」
「精鋭部隊の実力を見せてやる…!」
姫ラー達は一斉に聖組に向かって突進した。
聖組は一歩もたじろぐことなく迎え撃つ。
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