60:あけましておめでとうございます。
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黒狐たちはすでに帰ったあとだ。
神社でのんびりし、そろそろ移動しようとしたとき、ようやくコハルが因幡の前に現れた。
「母さん、遅い」
「ごめんね」
コハルは参拝を済ませ、家族分のお守りを購入したあと、焚火の前で待っている因幡達のもとへと戻ってきた。
「はい、桃ちゃん」
「?」
コハルから渡されたのは、小さな赤い小袋だ。
“御守り”と刺繍で書かれていた。
なにか入ってあるのか、感触が硬い。
「大事な御守りだから、肌身離さず持っててね」
「あ…、ああ」
頷いた因幡はズボンのポケットにそれをしまった。
「そろそろ行こうか。近くで屋台やってるみたいだし」
「そうだな」
夏目に声をかけられ、因幡はコハルとともにそれについていく。
神崎もその後ろからついていき、石段を降りながらあるところに電話をかけていた。
*****
薄暗い部屋に、シンプルな着信音が鳴り響く。
その場にいる全員の視線がスマホの持ち主である姫川に集中する。
姫川は視線を気にすることなく、それを手に取り、待ち受け画面の“神崎一”の文字に小さく驚いた。
「出ていいんだぜ、姫川」
目の前の男は許可を出したが、姫川は着信を切り、ついでに電源も切る。
「いや…、いい。……話を続けようぜ、鷹宮」
.To be continued