05:本日も空回り。
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1年の教室に出向き、因幡は男鹿の居場所を聞き、屋上へと向かった。
聞いた通り、溜まり場にしているのか、男鹿は友人の古市とともにそこにいた。
欄干に背をもたせかけて座っている。
「男鹿辰巳は…、てめぇか?」
ミルクをあげている最中だったが、因幡は男鹿に近づき声をかけた。
(本当にガキ連れてやがった…)
「子連れ」は冗談でつけられたものだと思っていた。
「なに? 今、ミルクやってんだけど」
こちらを見上げる男鹿と、その赤ん坊の目付きは悪く、間違いなく親子だと思う。
「そのままでいい。…神崎を倒したって? 3階から落として…。それ聞いててめぇに興味が湧いてな…」
「…ふーん。それで?」
「今度はオレが屋上から落としてやろうかと思ってさ…」
「へぇ…、てめぇをか?」
誰もがたじろぐほどの険悪した空気の中、その男は手を挙げて立ちあがった。
「ちょっと! オレのことは放置ですか!?;」
名乗り出たのは先程から男鹿の傍らでそれを眺めていた古市だった。
「…おまえ強いの?」
「い、いえ…」
「じゃあ興味なし」
「酷い!!」
冷たい扱いに古市は涙する。
「オレは因幡桃矢。…よろしく」
「よろしくなんざしたくねーな」
ミルクタイムも終わり、男鹿はベル坊を肩にのせて立ち上がった。
それに因幡は待ったをかける。
「その状態で戦うつもりか? そいつに預けとけよ」
「ダーッ!」
指先は古市に向けられる。
「このままでいいんだよ」
「ダブダッ!」
「怪我しても責任とらねーぞ」
「ダブーン!」
「いくぜ!」
「ダーブ!!」
「おう! 1年坊だからって手加減は…」
「ダダダ!!」
「「さっきからなんだよ!!」」
さっきから興奮気味に叫ぶベル坊に、男鹿と因幡は同時にツッコんだ。
ベル坊の輝きの目は因幡に向けられている。
「な…、なに…」
その熱視線に、子ども慣れしていない因幡は思わずたじろぐ。
男鹿はベル坊を両手に抱え、その視線を追う。
「…おおっ、そうかそうか」
今度は男鹿の顔が輝き、なにやら納得している。
因幡が首を傾げると、いきなり目の前にベル坊を突きつけられる。
「こいつ、おまえに懐いてるっぽいぞ」
「…は?」
受け取ってしまう。
「ダァ」
「……………」
茫然とそのカワイらしい顔を見つめていると、男鹿はとんでもないことを言ってきた。
「こいつの親になってくれ」
「………はぁ!!?」
「アーイ」
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