05:本日も空回り。
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神崎を乗せた救急車を見送ったあと、因幡は神崎の教室に来て神崎の席に座っていた。
カーテンがないせいか日当たりのよさに、別の教室に来たような違和感を感じる。
「男鹿辰巳? …ああ、子連れ番長とか騒がれてる1年だろ」
城山から事情を聞いた因幡は2年の教室でも騒がれていた噂を思い出す。
「事情を聞いた限り、そりゃあ神崎が悪いだろ。オレだって殴る」
そう言いながら、因幡は自分の頬の絆創膏を指先で掻いた。
それを見た夏目は口元に笑みを浮かばせて言う。
「…喧嘩でもしてきたの?」
「……これは…」
救急車は来たが、校門にたかる他校の不良達が邪魔だったらしく、一掃した時についた傷だ。
「酷く慌ててたよね、因幡君」
「なにが言いたいんだよ、夏目」
睨みを利かすと「わあ怖い」と城山の後ろに避難した。
全然怖がっているようには見えない。
「大体、東邦神姫のひとりがやられたってのに、姫川はどうした? 駆けつけにも来ねぇじゃねーか」
「姫ちゃん、今日はお休みみたい」
「はぁ?」
「それに因幡君、勘違いしてるようだけど…、東邦神姫は仲間じゃないんだ。むしろ敵同士であり、その強さを見せつけ、互いの領分を取り合う。今回のことは、姫ちゃんにとっては好都合ってことだよ」
「……めんどくせーよ、おまえら…」
ふと床に転がっているヨーグルッチを見た。
神崎の今日1日分のヨーグルッチだ。
ため息をついた因幡は席から立ち上がり、扉に足を向ける。
「どこ行く気だ?」
城山に声をかけられ、扉に手をかけた因幡は肩越しに振り返り、笑みを浮かべる。
「神崎を倒したんだ。ちょっと噂の1年坊に、「あいつどんなやられっぷりだった?」って聞いて笑ってくる」
それだけ言うと教室から出て扉を閉めた。
「なにを考えてるんだ、あいつは…。あいつも所詮は神崎さんの敵…」
「鈍いねぇ、城ちゃん。あれ…、どう見ても、怒ってるでしょ」
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