04:育ての親より不良の親。
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翌日の学校で、神崎達と姫川、そして因幡は机を3つくっつけてババ抜きをやっていた。
「だから言ってんじゃん。オレの従妹、赤ん坊だった頃のオレによく似てんだって」
そう言う因幡に、神崎と姫川は怪訝な視線を投げかける。
その視線を追い払うように、因幡はしっしと手を振った。
一応、どこかの学年に赤ん坊を連れている男がいるという話を聞き、自分もマネして預っている従妹を連れてきただけ、ということにしている。
そしたら迷子になっておまえ達に拾われていた、と。
こちらは「用がある」と言って神崎のクラスを抜けてきたわけだから、理由になるといえばなるはずだ。
それでも2人はまだどこか納得していない様子だ。
「しつけーよ、2人」
因幡はただでさえいっぱいいっぱいなのだ。
自分の身になにがあったかは結局わからずじまいだったが、神崎達に借りを作ったことになる。
非常に望ましくないことだ。
これでは奇襲もかけられない。
そんな恩を仇で返すようなことをするほど、因幡もまた悪ではなかった。
(これじゃあ、当分こいつらには手が出せそうにねぇな…)
苦渋に満ちた顔をしつつ、口に咥えたトロピカルフルーツ味のポップキャンディーを転がす。
「おい、次に因幡だぞ」
神崎に促され、因幡は神崎の差し出すカードに手を伸ばす。
(まあ…、別にこういうのをムリヤリ壊す必要性もねぇけど…)
正直なところ、自ら壊すのも惜しいと思ってしまう。
カードを引いた因幡は、手元に置いたそれを見て「げ」と顔をしかめる。
「ぐ…っ、ジョーカー…」
目の前では神崎がケラケラと笑ってる。
先に上がった姫川も「ポーカーフェイスは大事だぞ」と言ってニヤニヤとしていた。
この先のことより、因幡はこのジョーカーを隣にいる夏目にどうやって引かせるかを考えながら、自分のカードを切った。
.To be continued