51:地下へ参ります。
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
在校生の身ぐるみをはがし、それを着てサンマルクス修道学院の校舎に堂々と潜入した、因幡と神崎。
できるだけ制服の持ち主に似るように、神崎は眼鏡をかけ、因幡は前髪をヘアピンで留めていた。
時間は休憩時間となったのか、生徒の姿が見え始めた。
廊下で他の生徒とすれ違うたび、因幡は怪しまれていないか気にする。
「きょろきょろするんじゃねーよ。余計に怪しまれるぞ」
「けどよ…」
「あとスカートの丈も気にすんな。違和感ねーから」
「それはそれで…! つか、ウチの学校といい、膝上丈とか誰も気にならねえのかよっ。パンツ見えたらどーすんだ」
もじもじとしていると、すれ違った2人組の男子生徒が、「どこの組だ、あのカワイイ子」と小声で話し合っていた。
それを聞いた神崎は「早く、さくさく歩け」と急かす。
歩くにつれ、少しずつ自身の格好に慣れてきた因幡は建物内をぐるりと見回し、その造りに気付いた。
壁から床など、すべて、金、銀、プラチナ、象牙、べっ甲大理石で造られている。
セキュリティが厳重なのもこれらが原因なのだろう。
ダイヤのドアノブや、大理石の壁の欠片だけでも高価な価値がある。
石矢魔とは違った意味で異常な学校だ。
「! なあ、アレって自販機じゃねーか?」
その時、前を指さした神崎は自販機が並ぶ休憩コーナーのような場所を見つけた。
「ヨーグルッチねーかな、ヨーグルッチ」
自販機を見つけるとヨーグルッチを探すのは、もはや習慣だ。
「おまえ…、そんなことしてる場合じゃ…」
呆れる因幡は、ふと、別の自販機を見て言葉を切った。
自分の好物を見つけてしまったからだ。
“私立サンマルクス修道学院限定・ゴールデンハニー味”
「……………」
朝食もまだだったので、因幡はそのキャンディーと、ベーグル、ミネラルウォーターを、神崎はプラチナヨーグルッチと、エッグサンドを購入した。
無料なのか、お金を入れずともボタンを押しただけで出てきた。
未だに可能性を秘めた好物の味に、ベンチに座る2人は恍惚気な表情をしている。
「来てよかったなぁ…。あ、水飲む? 高級水らしいけど」
「ああ。これなら別に、姫川と出会わなくても損したとか思わねえ」
因幡から受け取った、ペットボトルのミネラルウォーターを口に含んだ神崎は、目の端に入った連中に、思わず吹き出しそうになった。
「ぶっ!! 因幡っ、やべー!」
「あ? うぉっ!」
視線を追った因幡も、その存在に焦り、神崎とともに座っていたベンチの後ろに隠れた。
その存在で2人は初心を思い出す。
姫川と、男鹿達がこちらにやってきたのだ。
.