50:金持ち学園に潜入です。
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鮫島は屋敷の廊下を渡りながらフユマの行方を捜していた。
「フユマ様ー」
「なごりと2人だけで話をする」と言ってから部屋に戻ってこない。
数時間が経過しているというのに。
心配になった鮫島は上の階から順番に部屋の隅々まで探してから下の階へと下りていく。
「またどこかで昼寝か…」
もう今となっては珍しいとも思わない。
クロトの影響だと教えてもらったことがある。
庭で眠っている時もあれば、廊下の真ん中で眠っている時もあった。
一度フユマに「大変ですね」と同情の言葉をかけたことがあり、その時は、体に苦痛を受けるくらいなら眠っている方がマシだと笑い返された。
最初は、見つけては部屋まで運ぶこちらの身になってほしいとため息をついていたが、今ではすっかり慣れてしまった。
「フユマ様」
廊下の曲がり角の床に、フユマの手がはみ出ているのを見つけた。
あの位置にあるということは、また床に倒れて眠っているのだろう。
鮫島はゆっくりとそちらに近づいた。
「フユマ様、またこのようなところで…―――!!!」
曲がり角を曲がり、その姿を見た瞬間、鮫島は目を見開いた。
血まみれの壁と廊下に、血まみれで壁に背をもたせかけて座っているフユマ。
喉と腹と右手の傷口からは血が流れ出ていた。
「フユマ…様…っ」
血溜まりに膝をついた鮫島は、その肩に触れて揺すってみるが、フユマの体はピクリとも反応しない。
微かに呼吸をしているようだが、虫の息だ。
「起きてください、フユマ様…!! 目を…、開けろ…!!」
死に際でもないのに、鮫島の脳内に走馬灯のようなものが流れた。
「開けろよ!! フユマァッ!!!」
.To be continued