49:お土産も思い出もお忘れなく。
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国際通りにて、はぐれた二葉を探す、神崎組と途中で出会った豊川。
「二葉ーっ!! どこだっ!? 二葉―――っ!!」
「二葉ちゃーんっ!」
神崎と豊川は二葉の名を叫び、辺りを見回しながら走り、二葉の行方を捜索していた。
国際通りを一通り二通り探したあと、前方に、手分け探していた夏目と城山が見え、合流する。
「いたかっ!?」
神崎が夏目に声をかけると、夏目は首を横に振った。
「こっちには見当たらないね」
「ったく、あのバカ娘っ」
父親のことを言う神崎に、豊川は「まさか、通りから出てねえだろうな」と最悪な可能性を口にする。
そうなると、土地勘のない神崎達にとって、二葉捜索は容易ではなくなる。
その時、「どうした?」と聞き覚えのある声をかけられ、振り返ると、東条と相沢と陣野がいた。
「東条…」
神崎は二葉がいなくなったと短く説明し、どこかで見かけてないかと尋ねた。
「なにぃっ!? あのちびっ子が行方不明!? 政府だ!! 政府に言ったのか!?」
二葉のことを気に入っている東条は、行方不明になった二葉のことを心配する。
その時、東条の腕に、どこかから飛んできたなにかが当たった。
「ん?」
気付いた東条は、地面に落ちたそれを見下ろし、しゃがんで手に取る。
「なんだこれは…。ヒコーキ?」
拾ったそれは、紙飛行機だ。
辺りを見回すが、誰が投げたのかはわからない。
「おい、それ、なにか書いてないか?」
豊川が指摘すると、東条は飛行機を広げてみた。
汚い文字で“はたし状”と書かれてある。
1枚の紙に広げると、汚い文字の文章で内容が綴られていた。
“はたし状 ぜんりょく ボケナスのみなさん てめーらのかわいい娘はあずかりました かえしてほしくばしていのところにてめーらだけでこい ちんぴら一同より 愛をこめて”
「つっこみどころ満載の果たし状だな」
神崎と東条の間から覗き込む豊川は小さくつっこんだ。
神崎と東条はあとに書かれた指定の時刻と場所を見る。
「―――…時間は午前0時」
「場所は…、オレ達の泊まってるホテル裏駐車場?」
指名は、神崎と東条の2人だけだ。
「神崎さん、これ絶対罠ですよ!」と城山。
「2人だけ指名されてるしね」と夏目。
「……てめーらはついてくんな」
果たし状を握り潰し、神崎は背を向けながら2人にそう言って歩き出した。
「神崎さん!!」
「虎、本気で2人で行く気か?」
陣野に尋ねられ、東条は「相手はそうしろって言ってんだ。
向こうにはちびっ子がいることだし…、今はそうするしかねーだろ」と言って神崎についていく。
「神崎さん…」
城山が呟くその横で、豊川は軽く睨むようにその背中を見据えていた。
「…カッコつけ共が…」
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