48:ちゅらいって何ですか?
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「またてめーかよ。なんなんですか。ファンですかストーカーですか」
「あ゛ー? てめーらが行くとこ行くとこに出現するんだろーが。そっちこそ消えてください失せなさい」
神崎と豊川は歩道の真ん中で互いの額を合わせ、睨み合いながら押し合っている。
「本当に、よく会うことで…」
一緒にいた稲荷はくすくすと笑っていた。
「止めない…のか?」
2人の喧嘩を眺める稲荷に伏見が尋ねるが、「まあいいんじゃない?」と適当な返事を返された。
「…? 他の2人はどうした?」
城山が明智と寿のことを思い出して尋ねると、稲荷は「土産買いに行かせた」と笑顔で答える。
「やっぱもっかい泣かされてーみてーだな」
「それしかネタないんですかぁー?」
「土産買いに来たんだったら、冥土の土産テイクアウトするか?」
「面白ぇ。どっちが先に渡されるかやってみっか? あ?」
一度互いの距離をとった2人。
神崎はコブシを鳴らし、豊川は鉄パイプを取り出して構えた。
険悪な雰囲気に通行人が何事かと遠巻きに眺める。
「おい、豊川…」
「止めんじゃねえぞ伏見ぃ!」
「「死ねオラァアアアア!!!」」
豊川と神崎が同時に動き出すと同時に、あることに気付いた夏目が声を上げた。
「神崎君! 二葉ちゃんがいない!!」
「あ!?」
「ん?」
2人は同時に足を止め、夏目の方を見た。
神崎はすぐに辺りを見回したが、二葉の姿はどこにも見当たらない。
「二葉ぁ―――っ!!!」
大声で呼んでも小さな体がこちらに戻ってくることはない。
「二葉って…、ツインテールのガキか? 妹?」
鉄パイプを肩に当て、豊川も特徴的なツインテールを探す。
「姪だ! ったく、一体どこに…!」
神崎は辺りを忙しなくキョロキョロしていると、夏目は提案を出した。
「手分けして探した方がいいかも! オレは店の中にいないか見てくる!」
「オレはさっき来た道を探してみます!」
「そっちは任せたぞ!」
夏目と城山に続き、神崎は人ごみをかき分けて二葉の捜索に当たった。
途中で、因幡についていってないかと因幡のケータイに電話をかけるためにスマホを取り出す。
その背中を見つめる豊川に、2つの視線が刺さる。
あーあ喧嘩をしたばっかりに、と言いたげな伏見と稲荷。
「………わかりましたよ。オレのせいでもあるし、オレも探してきます…」
そう言って神崎のあとを追いかけ、すぐにその背中を捕まえた。
「神崎、オレも探してやるよ。二葉…ちゃんだっけ?」
「おまえ…」
連絡を終え、神崎は豊川を驚いた目で見る。
豊川は早速とばかりに辺りに声を発する。
「二葉…ちゃーん」
「二葉ーっ!!」
「二葉ちゃー…ん」
「二葉ーっ!!」
「二葉ちゃーん」
「聞こえるかぁっ!! もっと声張り上げろォっ!!」
「二葉ちゃああああんっ!!!」
「ちゃん」付けが恥ずかしい豊川。
.To be continued