48:ちゅらいって何ですか?
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その夜、ホテルのユニットバスで因幡は湯船に浸かっていた。
一日はしゃいだ疲れが湯に溶けていくのを感じながら、天井を見上げて今日のことを思い出す。
「また変なことになってきたな…」
あのあと、南珍比良高校の番である哀場猪蔵が現れたが、邦枝との話し合いにより、その場は収束した。
元々、喧嘩に参戦する気もなかったようだ。
ちなみに哀場の背中に連れていた少女は、妹であることが発覚した。
話がついた、といっても、哀場以外の南珍比良の不良達の敵意が失せたわけではない。
こちらは散々暴れたのだ。
なにかのきっかけでまた勃発しないとは限らない。
両手で湯をすくい、顔を洗う。
「桃ちゃーん、湯殿には行かないのー?」
ドア越しにコハルの声が聞こえた。
因幡はため息まじりに答える。
「行けるわけねーだろ。性別が即バレだっつーの」
神崎組+姫川以外、女であることを黙っている身だ。
湯殿で烈怒帝留と鉢合わせするわけにはいかない。
「バレたっていいじゃない。たぶん、他のみんなは受け入れてくれると思うけど?」
「……今更なんだよ」
引っ込みがつかなくなっているだけなのは自覚していた。
それに、バラして態度を変えられるのも気に食わない話だ。
「桃ちゃん」
「あ?」
「一緒に入らない?」
ドアを開けたコハルはすでにバスタオルを巻いていた。
「ヤだよ! さっき入ってきたんじゃねーのかよ!」
「たまには親子水入らず…」
「修学旅行まで来て!? つうか何気にオレと同じ部屋とってんじゃねーよ!!」
なぜか、コハルと2人部屋にされていた。
「校長先生に頼んでてよかったわ」
「校長とどんな関係なんだよ!!」
未だに謎な母だ。
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