47:旅先の出会い。
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現在、石矢魔の面々は、聖石矢魔学園の正門からバスに乗って、高速道路を走りながら空港に向かっていた。
「え。因幡先輩が遅刻!?」
隣の席の神崎から聞いた古市が驚いた顔をする。
神崎は「あのバカ…」と呆れている様子だ。
「完全に寝坊だな」
神崎の前の席に座る姫川が手元のスマホを見下ろしながら呟く。
「もー。何度電話かけても出なかったし…;」
クラス委員の邦枝も落ち着きがなかった。
反対に、古市の隣にいる男鹿は寝足りなかったのか、頭の上にのっているベル坊とともに爆睡している。
その時、スマホを耳に当てていた夏目が、隣の神崎に声をかけた。
「因幡ちゃん、もうすぐ追いつくって」
「やっと連絡とれたのか! つか、追いつくってなんだ?」
「電車で来るんじゃないですか?」
神崎の後ろの席の城山が、少し立って神崎に言った。
それに首を横に振ったのは夏目だ。
「ううん。なんか…」
その時、バスの上が、バンッ、と音を立てた。
全員が怪訝そうに上を見上げると、姫川側の窓がコンコンとノックされる。
そちらに振り返ると、逆さまの、疲れ切った因幡の顔があった。
「開けろ」
「「「「「!!!?」」」」」
姫川が窓を開けると、因幡はそこから姫川の隣に座って荒い呼吸を整える。
「おまえどうやって…」
後ろの席の神崎が尋ねると、因幡はペットボトルのお茶を飲みながらドヤ顔で答える。
「自分の脚で来た」
「バカだ!!! 高速走ってきたバカが乗り込んできたぞっ!!!」
後ろを走る聖石矢魔のバスも非常に驚いたことだろう。
「寝坊だなんて珍しいね」
「昨日は(楽しみすぎて)目がさえちまってなかなか眠れなかったんだよなぁ。あと、親起こしてくれなかったし」
「遠足あるあるだな」と姫川。
「小学生ですか」と古市。
そして空港に到着するなり、因幡と神崎は白い目になってフリーズした。
「あら、わざわざ沖縄までお見送りに?」
「ええ。うちの二葉ちゃんがどうしてもと…」
「ジジイは来なくてもいいっての。一! 一はどこだ!?」
自分たちの家族がなぜかそこにいたからだ。
コハルは思いっきり旅行スタイルだ。
途中で着替える気ゼロの夏服と帽子に、荷物が詰め込まれたキャリーバッグを持っている。
いつ出会ったのか、神崎の父親である武玄と気さくに話し合っていた。
「そりゃ起こしてもらえねーよ。先回りされてちゃな…」
石のようにかたまった2人の背後でそれを見つめる姫川は呟いた。
因幡はすぐにコハルの胸倉をつかんで「なんで来た?」と迫力満点で詰め寄る。
「怖い。怖いわ、桃ちゃん。私はあれよ、ちょうど沖縄の話が書きたかったから資料集めに来ただけよ!!」
最新のデジカメもばっちりだ。
「力強く言うんじゃねえ」
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