45:くしゃみをしないでください。
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まさか原因はこいつか、と神崎と姫川は視線を因幡にやる。
因幡がくしゃみをするたび、ウサギの耳や尻尾、体毛が出現したり消えたりを繰り返していた。
また新たに、姫川の首周りをウサギの体毛が覆った。
「なんでオレ達が影響受けてんだよ」
「知るか。口にガムテープでも貼り付けてやろうか」
姫川は容赦ないことを言うが、本気ではない。
「…こいつを治せばオレらも元に戻るんじゃねえか?」
「だろうな……」
姫川はスマホで時間を確認する。
もう昼過ぎだが、おそらく昼食を食べてないだろう。
コハルは完全に時間を忘れているといってもいい。
キッチンを思い返すが、なにかを調理したあとはなかった。
神崎と姫川はキッチンに戻り、鍋と米を見つけ出し、おかゆを作ることにする。
ただの見よう見まねだ。
姫川はスマホでググりながら調理していく。
水を入れた鍋に炊き立ての米を入れ、電源を入れて沸騰するまで待つ。
頃合いを見て神崎は溶いた卵を鍋に入れて箸でかき混ぜた。
問題はそのあとだ。
ポケットから取り出したヨーグルッチを鍋に投入した。
しかも豪快に全部入れる。
「おぉいっ!!」
神崎の行動に気付き、ぎょっとして声を上げる姫川だったが、神崎は「大丈夫だ。ヨーグルッチだからな」となにが大丈夫なのかわからないことを言って一蹴した。
甘ったるい匂いが鼻を通り、姫川は気分を悪くする。
真っ白な液体が混ざったおかゆを直視することもできなかった。
神崎は自信作といった調子で、出来上がるとすぐに春樹、桜、因幡の順番に食べさせた。
「「「へぶしっっっ!!!」」」
因幡姉弟、全滅。
「あ、城山か。おまえんとこのバカが殺人犯す前に来い」
目の端でその現場を見ながら、姫川は城山の家に電話をかけた。
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