40:悪魔の学園、開校です。
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細い電線を綱渡りよりも簡単そうに渡り歩く、ズボンのポケットに手を突っ込んで首に赤いマフラーを巻いた高校生がいた。
はぁ、と吐いた白い生温かい息が宙で飛散して消える。
耳を澄ませば、遠くから工事の音が聞こえ、そちらに顔を向けた。
男鹿が壊滅させた石矢魔の校舎が、もうすぐ出来あがるのが遠くに見える。
もうすぐ、石矢魔高校が復活する。
聖石矢魔に通うのも、あとわずかだ。
すっかり馴染んだクラスだっただけに、そこから離れてまた別々の教室で過ごすことになるのは、一抹の寂しさを感じずにはいられなかった。
「…なんだこれ、オレ、けっこうセンチになってんのか…?」
浮き上がる寂しさを払うように因幡は首を横に振り、呟いた。
(まぁ…、またオレが3年校舎に通えばいい話か…)
そう思って微笑んだあと、電信柱の上に到達し、そこから飛び下りた。
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