03:突然訪問は失礼です。
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翌日、因幡は神崎のクラスに来ていた。
同じく姫川も。
2人とも、昼食を食べながら神崎の近くで誰のかもわからない席に座っていた。
「ぶっちゃけ、おまえの母親って年いくつよ?」と神崎。
「姉は女子大生らしいじゃねーか」と姫川。
「知らない。つうか聞くのが怖い」
携帯をいじりながらそう答えた因幡は、「はいこっち向いて」と姫川と神崎に携帯を向ける。
2人が訝しげな顔をこちらに向けると、シャッター音が鳴った。
「…なにしてんのおまえ?」
「頼まれたんだよ。母さんが漫画のネタにしたいって…」
うんざりした顔をしながら神崎の質問に答え、2人がしっかりと一緒に映った写真をメールに添付して母親に送信する。
「なんの漫画描いてんだ?」
姫川の質問に、因幡はしばし沈黙し、答える。
「…………………………女性向け」
「ああ、少女漫画か。だったらオレは読めねーなぁ…」
神崎のその反応を見て因幡はほっとする。
嘘はついていない。
だから、良心をいためる必要はない。
ともかく、この2人のおかげで母親はシメ切に悩まされることはなくなった。
今頃、写メでテンションを上げ、お気に入りの万年筆を駆使して新たな作品にとりかかっている頃だろう。
「まあ、コーヒーは美味かったと伝えといてくれ。桃ちゃ…痛っ!」
本名を言いかける姫川の頭を小突いた。
終始その光景を眺めていた楽しげな夏目と、城山。
「因幡君、すっかりこの教室に馴染んじゃったね」
「あいつ…、2年じゃなかったか?」
.To be continued