36:復活しました。
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ぐ!!」
襲いくるノーネーム達を薙ぎ倒しながら、因幡を助けようと階段を登ろうとした神崎だったが、後ろから4本の鉤針付きの紐が体に巻きつき、階段から引きずりおろされた。
「神崎さん! うわっ!」
「わぁあっ!!」
神崎の巻き添えになる夜叉。
1階まで引きずり下ろされ、ノーネームが集まった部屋に連れて行かれる。
「う…っ」
階段から落とされ、神崎の頭から生温かい血が流れた。
顔を上げた先には明智と寿が見下ろしている。
「てめー…ら…っ!」
「寿さん…っ!」
裏切った真偽は定かではないため、副リーダーは複雑な表情を浮かべて寿の名を呼ぶ。
「おまえら…っ、無事でよかった…!」
嬉しそうな顔をする寿に、それが演技であると知っている神崎は立ち上がって殴りかかろうとするが、明智が両手を振り下ろすと床に叩きつけられた。
「うぐ…っ!!」
「もうすぐ終わるから、黙って見届けろよ」
「…っ」
(ヤベェ…、本格的に目眩してきた…)
シッポが出現してから数時間が経過しようとしていた。
息も過呼吸を起こしたように荒く、体の熱も耐えきれないくらい熱くなっている。
「無様だなぁ、神崎…」
「明智…っ」
「これが今のオレだ。見てみろよ。仲間はてめーよりたくさん持ってるし、てめーより強ぇ。なにもしなくても周りに人間が集まるおまえを見て、眩しさと虚しさを同時に感じてただけの、ガキの頃のオレじゃねえんだよ…!」
唸るように言う明智はその背中を踏みつけ、勝ち誇る。
「………っ」
寿はそれを見下ろし、悔しげな表情を浮かべた。
これも演技だ。
「おまえら…っ、すまない…! 頼りにしてた因幡には見放された…。…オレ達夜叉は…ノーネームにつく…! これでいいんだろ!? 明智…!」
寿の背後にいた他の夜叉も、「寿さん…」と悔しげな顔をした。
「…これから、もっと大きくしていこうじゃねえか…。やがては…、天下の石矢魔をとるために…」
「ああ…」
ほくそ笑む明智と、口惜しそうな顔の寿。
2人の目はギラギラと野望に満ちていた。
本格的な結託の印に、握手をかわそうと互いに手を伸ばす。
*****
「ゲームオーバー…。オレの勝ちだ。悪いけど、別れの挨拶はさせてやれねーよ?」
名護はそう言って、因幡の顔を見る。
どんなショックな顔をしているのか。
「!?」
しかし、因幡の口元は、嗤っていた。
「みくびってんじゃねーよ。アレでも、天下の石矢魔のトップ争いしてた奴らだ…。オレが知ってる中でも、奴らより厄介な人間はいねえ…。ノーネームなんざ、名前どころか、存在も残さねえよ…!!」
「…!?」
強がっている目ではない。その力強い眼差しに思わず喉が鳴る。
(こいつ…、本気で言ってるのか…?)
そして、異変はすぐに起きた。
.