30:姉の正体は?
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マンションを出た神崎と姫川は、大通りの歩道を歩き、神崎の家へと向かっていた。
(泊まってけとか、こいつ、どういうつもりだ?)
怪訝な目で神崎の背中を見つめる姫川。
昔はあんなにいがみ合っていた仲だというのに、いつの間にこんな友達のような間柄になってしまったのだろうか。
主謀者を見つけ出すためとはいえ、自分も他人をマンションに招き入れといて、人のことは言えないが。
(それでも、あの時は他の奴らも一緒だったわけだし…。今回はオレ一人だぞ? どうとも思ってねえのかよ…)
思ってないわけがない。
先頭を歩く神崎も目をぐるぐるさせながら、今の状況について真剣に考えていた。
(なんでオレ、こいつ家に誘っちまったんだろ…。普通に金貸して充電器買わせりゃよかったのに…!)
「あ…。別に泊まるの…おまえだけじゃねえから…」
「そうなのか?」
神崎はポケットからケータイを取り出して開いた。
(こいつと2人っきりは落ち着かねえ。城山…はケータイ持ってねえし…、夏目は…、あ、あいつバイトだっけ…。残るひとりは……)
因幡のアドレスを開き、通話ボタンを押した。
すると、すぐ近くで聞き覚えのある着信音が鳴り、すぐに消えた。
“もしもし?”
「「!!」」
目の前に、キャリーバッグを引いた因幡が現れた。
因幡も目の前の神崎と姫川に目を見開いて驚いている。
「……オレんチ、泊まってくか?」
「おう…。ちょうどよかった……」
電話を耳に当てたまま、2人は言葉を交わした。
「…ソレ、どうしたんだ?」
姫川は自分の右頬を指さして尋ねる。
因幡の右頬は、赤く腫れていた。
「ああ……。気にすんな…、ただの姉弟喧嘩だ。ちなみに、今、絶賛家出中。笑えるだろ?」
そう言って、因幡は明るく笑った。
.To be continued