30:姉の正体は?
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焔王達が去って一件落着したあと、石矢魔メンバーはほとんど帰って行った。
きれいさっぱり消し飛んだ25階で、姫川は石矢魔町の明かりを見下ろす。
吹き抜ける秋風が肌寒い。
「―――…やってくれたもんだな…。フン…。この借りは返すぜ…。絶対」
数あるうちの安いマンションだった。
けれど、ただのマンションではなかった。
昔のあることを思い返した姫川は、鼻で笑い、その場にしゃがんで街並みを見下ろす。
その時、背後でなにかが起き上がったのを感じて、肩越しに振り返った。
「む? ここは…? 神崎さん? 神崎さぁ―――んっ!!」
別室で寝ていた城山だ。
姫川は口をポカンと開けてフリーズしたあと、「神崎たちなら帰ったよ」と教える。
「なに!? 酷いじゃないか!! 起こしてくれてもいいのにっ!! ―――というか、なんだここは!? 寒っ!? おまえんち寒っっ!! ……ス…、スマン…」
なにがあったのか知らないが、触れてはいけないことだったようだ。
謝った城山は、そそくさと大人しく帰る。
「……オレも帰るか…。……家ここだけど…」
寂しいことを呟いた姫川は立ち上がり、下へ降りる階段へと向かう。
城山の言った通り、ここは寒い。
(そういえば…、あの写真……)
ふと、写真のことを気にかけ、足を止めた。
だが、もろとも消し飛んでしまっただろうと考え、再び歩を進める。
「「あ」」
階段を下りようとしたところで、踊り場に現れた人物に目を丸くする。
「……神崎…? なんでてめーがここに…」
「いや…、その…、城山のこと忘れてたから…、迎えに…」
「城山ならさっき帰ったぞ」
「そ、そうか…」
明らかに動揺している様子だ。
姫川が気になったのは、城山が帰ったのはほんの数分前で、エレベーターは止まっていて階段で下りるしかない。
25階を下りるのも時間がかかるはずだ。
城山に会ってないはずはない。
「……家、どーすんだよ?」
(もしかして心配して来てくれたのか? …いやいや、そんなまさか…)
「別のマンションに引っ越す。それだけのことだ。今からそこに帰る」
そう言って姫川はケータイを取り出した。
しかし、画面をタッチしても真っ暗のままだ。
何度もタッチしてようやく画面がついたかと思えば、“充電してください”とともに再び眠りにつくケータイ。
「「……………」」
「神崎…、充電器あるか?」
「機種が違うだろ。…ブッ! 充電切れって…!」
「うっせー!!」
考えてみれば当然のことだ。
充電を忘れて、あれだけ長電話やら端末を調べたりしたのだから。
コンビニで充電器を買えばいい話なのだが、コンビニの買い物はケータイで支払っている。
「神崎、コンビニついてこい。そんで金貸せ」
「ヤだよ。つうかおまえから「金貸せ」ってレアな言葉だな」
「あ!?」
未だに笑う神崎に凄むと、神崎は言った。
「おまえ、オレんチ泊まってけよ」
「…………は?」
「…え? ……ああ、泊まってけ」
神崎も自分の発言にびっくりし、2回言ってしまう。
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