30:姉の正体は?
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
見上げれば澄み渡る青空が広がっていた。
姫川が住んでいた25~30階はどこへ行ったのか。
25階は壁も消し飛び、他の部屋も晒されていた。
「…ケホッ…」
シリアスモードだった因幡と桜は突然のことに茫然と立ち尽くしていた。
「今度はなんだよ…」
何度も続く急な展開に、そろそろ因幡もついていけなくなってきた。
というか、ついていくのが疲れてきた。
春樹は相変わらず気を失ったままだ。
「あっ! そういえば神崎達…!」
はっと思い出した因幡は無事なのか心配になり、瓦礫を避けながら神崎達のいた部屋へと向かった。
そして、いきなりとんでもない場面に遭遇することになる。
「全面戦争じゃぁっっ!! 貴様だけは必ず余の手でぶチコロすっっ!!!」
緑髪の子どもが、ラミアを押し倒しているように見える古市に指をさし、半泣きでそう宣戦布告した。
(こっちも大変なことになってる…)
もう帰ろうかな、とさえ思った因幡。
「い…、いやいやいやっ。誤解っスよ誤解!! やめてくださいよ、ヘンな想像…!!」
「そ…、そうよ!! 古市は瓦礫から私を庇ってくれただけなんだから…」
慌てて離れた古市とラミアは手を挙げ、こちらを見つめてなにやら誤解しているレッドテイルと焔王に弁解しようとする。
「2人して取り繕うところがますますあやしいっス…」
「そういえば買い出しのあと、ずっといなかった…」
さらに怪訝な目を向けられてしまう。
「天井ぬけてんのはっ!? 気にならないんスかっ!!?」
「全面戦争か…、おもしれぇ」
その言葉に、全員が振り返った。
「姫川…!!」
姫川から、ただならぬ威圧感が感じられる。
「あぁ。買ってやるよ」
そう言って神崎が焔王の前に放り投げたのは、男鹿が倒したグラフェルだった。
「グラフェル!!」
「てめぇらが悪魔野学園か…。人んちをなんだと思ってんだコラ。やっぱ隣にいたのかよ」
「正直あなどってたぜ。まさか爆弾使って宣戦布告してくるとはよ…。上等だ」
「「その勝負…、受けてたつぜっっっ!!」」
徹夜でひたすらゲーム相手をさせられた挙句、自分の家を爆破されたのだ。
お怒りごもっとも。
「受けてたつって…」
すべてを丸投げしようかとさえ思っていた因幡は、2人がそう宣言したことで自分もそれに必ず巻き込まれるのだろうと確信を覚える。
ベル坊の臣下達と思った焔王は今は劣勢と判断し、ヨルダに次元転送を命じた。
ヨルダがモップを突き出すと、マンションの外側の宙に魔界へと続く空間が出現する。
「よいか古市!! 近いうちに必ず全軍率いてくるからの!! それまでラミアを預っててもらうぜ」
(余…、今かっこいい)
フ…、と笑い、焔王は侍女悪魔とベヘモットとともにマンションの向こう側へ飛び下り、次元転送の空間へと消えた。
いきなり25階から飛び下り、姫川達は下を見たが、なにもなかった。
.