02:やられたら、やり返します。
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屋上の扉を開けると、ヨーグルッチを飲む神崎と携帯をいじっている姫川が、欄干に背をもたせかけて座っていた。
やってきた因幡に2人は顔を上げる。
「…よう」
因幡は最初にどう声をかけようかと迷っていたが、挙句出たのがそれだった。
神崎と姫川も「よう」と手を小さくあげて返してくれる。
因幡が来ることがわかっていた様子だ。
「…言わなかったんだな」
因幡は姫川の隣に座り、晴れ渡る空を見上げながら言った。
姫川は画面を見つめながら「ああ」と答える。
「脅しのネタにならねぇからな」
「やったら完全にゲス以下だな」
そう言った神崎を睨み、「黙れ」と姫川は低い声を出した。
「おまえらって…、よくわかんねーな…。不良のクセに」
「「てめぇが言うな」」
ハモった2人の言葉に、因幡は柔らかく笑った。
その笑みを見て、姫川と神崎は、どうしてこいつが女だと気付かなかったのか、と今更ながら疑問に思った。
「あのよー」
「ん?」
姫川に声をかけられ、イチゴ味のポップキャンディーをくわえた因幡はそちらに顔を向けた。
「!?」
いきなり姫川に目の前にヨーグルッチを突きつけられ、「ひっ」と声を出し、体を傾けた。
危うく、口からキャンディーを落とすところだった。
神崎は姫川の肩をつかみ、飲んでる最中に取り上げられたので「返せやボケ」と半ギレだ。
姫川は「ほらよ」と大人しく神崎に返し、因幡に顔を向けて尋ねる。
「なんでそんなに牛乳嫌いなんだ?」
それは神崎も気になってたことだ。小学校の給食のとき、どうしていたのだろうか。
「……別に不味くはない。…けど…」
言いにくそうにしながらも、因幡は答える。
「胸が…っ、膨らんじまうだろがっ」
その顔は真っ赤だ。
「「…は?」」
2人は同時に首を傾げる。
「オレは「男」として通していきたいわけだから…、邪魔だろ?」
理由がそれだ。
因幡にとって牛乳とは、「男」の妨げになってしまうものである。
匂いを嗅いだり、見るだけで膨らむと思っているから重症だ。
「おまえらも胸あったら困るだろが!!」
茫然とする2人は怒鳴られ、自分の胸が大きく膨らんだところを想像してみる。
姫川は気分が悪くなり、神崎は「ああ、邪魔だ!」と力強く頷いた。
「言っとくが、そのキャンディーも、乳製品が入ってるからな」
「!!!?」
.To be continued