26:秘密の放課後。
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結局昨夜は気配を感じ取った場所に行こうとしたが、いくつもあったはずの気配は消えてしまい、外へ出ることさえできなかった。
話の続きをしたかった因幡だったが、シロトに「続きはまたな」と絵本を読み聞かせた母親のようなことを言われてしまい、それでも食い下がったが、また顔を蹴られてしまった。
次の日、神崎達とともに学校に教室に足を踏み入れた。
すぐに男鹿とヒルダの席を見たが、姿はない。
(…肝心な時に…)
「いやー、昨日の神崎先輩、マジパネェっスよ!! 見せたかったっスねー」
花澤は我がことのように自慢げに姫川になにやら話していた。
因幡は自分の席に着き、後ろの話に耳を傾ける。
「東条と出馬がケンカ? しかも他校の不良が乱入してきてピンチなところを、一人現れた神崎がおさめただぁー? パーパー言いすぎて、ついに頭までパーになったか?」
姫川は頭の後ろに腕を組み、無関心な顔をしていた。
「あっ、信じてないっスね?」
「……ホントなのかよ、神崎」
因幡も信じ難いという顔で、自分の席へと向かう神崎に尋ねると、神崎は不敵な笑みを浮かべた。
「よせ、花澤…。あんまり言うとかっこわりぃだろ。真の強者は寡黙なもんさ」
「うおおっ。カッケーッ。バカッケーッ!!」
花澤は興奮して声を上げた。
因幡と姫川は目を合わせ、呆れたようなため息をつく。
確かに東条も来ていないが、バイトで休むのはいつものことだ。
他の生徒の話では出馬も来ていないらしい。
そして、邦枝も。
“そろそろか…”
家を出るとき、「契約悪魔じゃから、ワシを常に身の傍に置いた方がよい」とシロトが言うので、渋々、学校の玄関でシューズ用の青い袋の中に入れ、教室の中に持ち入れたのだ。
授業中にいきなり小声で話しかけられ、因幡は「なにが?」と声を潜ませて机の横にかけた靴(シロト)に尋ねる。
“昨夜、そこら中で魔力の気配があったからのう…。その分、渇きも早い…
”
「……? オレまだおまえの話についていけてないんだけど?」
“…昨夜の話の続きじゃが、友人2人にワシの身体が入り込んだ。…今、ワシが不足しとるのは、わかっとるだけで、耳、尾、皮、魔力の半分…”
「……………」
元の姿を知らないため、想像しにくい。
因幡は肩越しに姫川と神崎を確認する。
姫川は相変わらずケータイをいじり、神崎は机に足をのせて堂々とジャンプを読んでいる。
「…それが? 2人とも、別にどうとでもないみたいだけど?」
“…もう少し、様子を見た方がいいのかもしれん”
因幡が前に向き直ってから、異変の始まりが起きた。
神崎が、妙な疼きを覚えたのだ。
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