02:やられたら、やり返します。
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「……は? なにここ…、学校? つうか、なにこの状況!?;」
目覚めた因幡は明らかに気絶前のとは違う状況に困惑している。
夕焼け色の、どこかもわからない教室、後ろに引かれた机たち、教卓の前の椅子に座ったまま、ロープで手首を背中の後ろにくくりつけられた自分。
「お…」
叫ぼうとしたがやめた。
あれだけ派手に暴れておきながら助けを求めるなんて都合が良すぎる。
助けてもらうどころか、この状態のままリンチに合う確率は高い。
「チッ…」
どちらにしろ、ここを切り抜けなければ、いずれは誰かがやってくるかもしれない。
力づくでロープを引き千切ろうとしたとき、教室のドアが開いた。
「お目覚め?」
そこに現れたのは、姫川と神崎だった。
一目見るなり、因幡は歯を剥いた。
「てめーら、オレをどうするつもりだ!? ああん!? おとなしく縄を解きやがれ!!」
明らかな危機的状況に構わず、ガタガタと椅子を揺らして暴れ出す。
相手がこれ以上動けないのをいいことに、姫川と神崎はその目の前に近づいた。
「暴れるな暴れるな。べつにとって食おうってワケじゃねーんだ…よな?;」
なだめようとしたが、そういえば姫川からこのあとどうするかは聞かされていない。
「それとも、このまま放置プレイして登校してきた順にボコらせる気か? 卑怯者が!」
「てめぇ、2年で啖呵切った時の動画見せてやろうか?」
姫川は削除せず、まだ持っていた。
「…いくらだ?」
「あ?」
突然の姫川の問いに、因幡は動きを止める。
「いくらで、オレの下につくかって聞いてんだ」
口癖とも言える姫川のセリフに、隣に立つ神崎も呆れかえり、言葉も出ない。
「…っざけんなてめぇ!! オレが金でつられるように見えるか!? 不自由してねーんだよ!!」
さらに声を荒げる因幡。
ロープで縛られているにもかかわらず、そのまま胸倉をつかみにきそうな迫力だ。
神崎の目からも、自分と同じく、因幡が金で釣られる男には見えなかった。
「姫川…、それを言うために…」
「ここにつれてきたのか」と続けようとしたとき、神崎は違和感に気付いた。
「金なんていらない」と言われても、姫川が動じている様子はない。
むしろ、その言葉を待っていたかのようにほくそ笑んでいる。
「…ヨーグルッチで汚れたクリーニング代の足しになればと思ったんだが…。そう言うなら、仕方ない。今、ここで脱いで洗濯させてもらおうか」
途端に、因幡の体がフリーズした。
「………は?;」
冷たい汗が因幡の頬を伝う。
「おい、神崎、押さえつけてろ」
動き出す姫川に冗談でないことを感じ取り、因幡は本気で焦りだした。
「ま、待て、やめろ、近づくな! いい! 自分で洗う!;」
「おい、やりすぎだろ。ヤロウの服脱がせるなんて、他の奴に見られたら…」
必死に拒否を示す因幡に、乗り気じゃない神崎は姫川に言う。
それでも、姫川は動きを止めず、因幡の学ランの裾に手をかけた。
「マジやめろって!! てめぇブッ殺すぞ!!」
「ヤロウだぁ? よく見ろ」
口癖も忘れてしまうほど焦る因幡に構わず、姫川は因幡の学ランの裾をつかみ、胸のあたりまでめくりあげた。
その胸には、サラシが巻かれていた。
そして、男にはないはずの膨らみもある。
それを見た神崎は目を大きく見開いて仰天していた。
「お…、おん…;」
そう、因幡桃矢は、「女」だ。
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