22:試合開始の時間です。
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学園祭当日、因幡は女子と一緒に教室で男鹿達の到着を、自分の席に座って待っていた。
試合開始は午前10時半からだ。
午前9時半を切り、最初の平静が徐々に崩れていく。
チアガール姿のレッドテイルと、イライラとしている邦枝と一緒にいる空間も耐えがたいものになってきた。
「因幡先ぱーい、神崎先輩達と連絡とれないんスか?」
ついに花澤に声をかけられ、因幡はケータイを取り出し、「ちょっと待ってろ」と返して電話をかけることにした。
(あいつらなにやってんだ…)
耳にケータイを当て、神崎が出るのを待つ。
3コールで出た。
“…もしもーし”
声が眠そうだ。
こいつ寝てたな、と察した因幡は顔つきが険しくなる。
「「もしもし」じゃねえよ! もしかしてずっと眠ってたのか!? 今日試合だってわかってる!?」
レッドテイルを横目で見ると、皆、寝てたのか、と呆れた顔をしている。
神崎は慌てず、「あー、そうだったそうだった」とのんびりとした口調で言う。
もしこの場に本人がいれば、因幡が目覚ましの蹴りを入れてやるところだ。
「すぐに来いっ!! あと1時間だぞ!!」
“わかったわかった。デケー声出すな”
耳鳴りがしたのか、電話越しの神崎の声が遠ざかっている。
なにを悠長なことを言っているのかと叱咤しようとしたとき、電話の向こうから神崎以外の声が聞こえた。
“…誰?”
“因幡”
「!!?」
明らかに姫川の声だ。
「え…、なに? 姫川も一緒なのか?」
驚きで怒りが鎮火する。
“おう。…姫川、起きろ。因幡がお怒りだ”
“んー…。もーちょい…”
“リーゼントのセットに時間かかるだろが。早く起きろボケ”
今、ケータイの向こうはどんな状況なのか。
因幡はドキドキしながらその会話に耳を傾けていた。
それを怪訝な目で見つめるレッドテイル。
「ご…、ごゆっくり…」
「ゆっくりさせないでっ!!」
どんな話をしていたのかはわからないが、赤面顔の因幡の聞き捨てならない言葉に邦枝がつっこんだ。
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