20:練習に来て下さい。
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翌日、男鹿、古市、邦枝、東条、神崎、姫川、夏目の7人が退学処分を言い渡された。
7人は木戸に生活指導室に呼ばれ、直接引導を渡されようとしていた。
心配でいたたまれなくなった因幡は生活指導室の扉に寄り、会話の内容に耳を澄ませる。
「1ヶ月後、本校で行われる学園祭。そこでキミ達7人対部長連で決着の場を設けよう。ただしケンカではなく、スポーツでだ。学生らしくね」
「スポーツ…?」
木戸の提案に、邦枝が聞き返す。
「競技に関しては部長連の有利にならぬよう、一考しよう。そして、もし、キミ達が買った場合、今の処分も考え直す。退学はそれまで保留だ。――どうだね? 破格の条件だと思うが…」
「―――いいや、まだだね」
姫川は口端を吊り上げ、木戸に指をさして言葉を続ける。
「あいつらにリスクがねぇ。オレ達が勝ったら、六騎聖の権限とやらをとり下げてもらうぜ」
「おいっ」
「調子に乗るなよっ…」
他の教員が口を出そうとしたが、木戸は「いいだろう」と承諾した。
「ただし勝敗がどうであれ、そのあとは一切もめごとを起こさないと誓ってもらうぞ」
「当然」
姫川も了解する。
話は終わり、7人は生徒指導室を出て、入口で待っていた因幡と顔を合わせた。
「よ。お待たせ」
計画がうまくいって姫川の機嫌が良さそうだ。
全部聞いていた因幡は苦笑する。
「相変わらず狡猾な奴だな…」
「ククッ、ざっとこんなもんよ」
「さすが姫ちゃん。かけ引きがうまいねー」
「けっ」
姫川の狡猾さが気に食わないのか神崎は不機嫌だ。
あとから大森と谷村が邦枝のことを心配して駆けつけてきたのが目の端に映り、因幡は「オレはそんなハデなことしなかったから、退学組じゃねえのか…」と安堵のため息をついた。
「因幡、クマできてんぞ。眠れなかったのか?」
神崎は因幡の顔を覗きこみ、自分の目の下に指をさした。
「あ? ああ…。ちょっとな…」
夏目は、一瞬因幡の笑みが邪悪に歪んだのを見てしまった。
(なにか…したのかな?)
した。
城山にケガを負わせた3人に、ひたすらイタ電とイタファックス、神崎に凄まれて小便を漏らした時の写真を同封した文字通り不幸の手紙を送りつけたからだ。
(2週間の停学だったか? 地獄の停学期間にしてやる。暴力で片付けたら退学になっちまうからな…)
「ケケケッ」と思わず悪魔の笑いがこぼれる。
(((なにかしたな…)))
それをばっちりと見てしまった、夏目、神崎、姫川。
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