18:狙われています。
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神崎どころか、その場にいるクラス全員が花澤と飛鳥から事情を聞いた。
自分達を聖石矢魔の生徒から庇うために、大怪我を負ったことを。
「城山が…」
因幡がそう呟いたとき、神崎はまだ中身の入ったヨーグルッチのパックを握りしめ、床に叩きつけ、因幡の横を通過した。
「神崎先輩!?」
そのまま教室を出て行こうとする神崎に花澤が声をかけるが、神崎の足は止まらない。
すぐに因幡が追いかけ、廊下に出る手前でその肩をつかんでムリヤリ止めた。
「神崎ストップ! どこ行く気だ!?」
「決まってんだろ?」
神崎はこちらを振り返らない。
「…っ、てめえさっき話してたろうが!! 外ならともかくここで問題を起こすのが一番マズいんだよ!!」
「さっきの話は撤回だ。オレ達はナメられすぎた。このまま黙って指くわえてるわけにはいかねえんだよ」
「退学になって城山が喜ぶとでも思ってんのか!?」
「知ったことか。なんでオレがあいつに気を遣わねーといけねえんだ? 放せよ因幡」
「神崎…!!」
神崎は右腕を勢いよく振り払い、その拍子に因幡は後ろに倒れ、背中をぶつけた机はそのままひっくり返ってしまう。
「つ…っ。てめ…」
見上げ、神崎と目が合い、ビクリと体が震えた。
本気で怒った神崎の顔を見てしまったからだ。
「戦争だ」
「神崎!!」
因幡は怒鳴ったが、神崎は廊下を出て行ってしまった。
その向かいの校舎の屋上から、それを眺めていた人影があった。
耳に携帯を押し当て、電話越しの相手と会話している。
「こっちは接触しましたよ」
“そ。くれぐれも勘付かれないように桃ちゃんの監視よろしく、鮫島”
「わかってます」
“……機嫌がいいな。いいことでもあったのか?”
声から察した電話越しの相手は尋ね、鮫島は廊下を歩く神崎を見つめ、口元に笑みを浮かべて上唇を舐め、答える。
「ああ。…いいエサと、運命の出会いをしましたから」
.To be continued