18:狙われています。
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登校2日目の教室は、前列の席ががらんと空いていた。
MK5が六騎聖にやられたと妙な噂もある。
昨日、男鹿と邦枝が帝毛工業の不良ともめごとを起こしたのがいけなかったのか。
聖石矢魔にとっては引き金はなんでもよかったのだろう。
邦枝が男鹿とともに教室を出て、昼休みが訪れた。
因幡は邦枝の席を借り、神崎達と昼食を食べていた。
夏目は東条の席を借り、城山は神崎のために売店へと出むいていた。
因幡は弁当を取り出し、中のたまごやきを頬張りながら話す。
「男鹿と邦枝、退学処分とかにならなきゃいいけど…」
「登校初日でやらかすとは、さすが男鹿ちゃん」
「あのへんは帝毛の奴らが縄張りにしてたからな。…まあ、モメごと起こさずに済むとは思えねえな」
神崎はヨーグルッチを飲んでそう言って、因幡の弁当に手を伸ばし、ミートボールをつまんだ。
「神崎、それオレのミートボールっ」
因幡は箸を伸ばして取り返そうとするが、神崎はその前に口の中に放り込む。
「お、うめーな。おまえの母ちゃん料理上手な」
「これはオレが作ったんだよ。夜行性の母さんが朝起きれるわけねえからな」
「マジ!? ちょっとちょうだい」
「あ、コラ!」
夏目もたまごやきをつまんで口の中に放りこんだ。
出汁の味が口の中に広がる。
「うん。美味しいっ」
「……どーも…」
褒められ、満更でもない様子。
「弁当はいつもてめーが作ってんのか?」
「いや、姉弟の当番制。昨日は姉貴が作った。今日は次女…、いや、長男のオレ。明日は弟が当番」
慌てて言い直した因幡。
「へぇ。偉いね」
「だろ? …そういう話じゃなくて…、えーと…、なんの話しだっけ? …そうそう。オレ、割とこのクラス気に入ってんだから、てめーらも問題ごとは起こすなよ」
因幡は思い出したように言い、箸の先を神崎に向けた。
「命令すんな。んな、軽率なことしねーよ。男鹿じゃあるめーし。因幡も挑発に乗りやすいとこあんだから、てめーこそ気をつけな。そしてそのウサギの彫刻みたいなウィンナーをオレによこせ。つかどうやって作った? 彫ったのか?」
「結局弁当の話に持ってくのかよ」
肩を落としながらも、因幡は全身ウサギのウィンナーを神崎の口に放り込んだ。
「お熱いな」
すでに弁当を食べ終わらせた姫川がひやかしてくる。
「姫川もこっち混ざればいいだろ」
因幡は誘うが、姫川は舌を出す。
「やなこった」
「素直じゃねえな」
その時だ。
慌ただしい足音が廊下から聞こえてきたと思えば、教室の扉が勢いよく開けられた。
レッドテイルの花澤と飛鳥だ。
「神崎先輩、大変です!! 城山先輩が…!!」
「!?」
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