18:狙われています。
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放課後の教室で、新任の教師が神崎を教卓に押し倒し、迫る。
「神崎君…」
裾の中に侵入してくる手を、神崎はつかみ、止めた。
「ま…、待ってくれよ、先生…。オレには…」
「オレには?」
視線を逸らす神崎。
その脳裏には姫川の顔が浮かんでいた。
困惑する神崎に、その教師は顔を近づけ、キスをしようとした。
「あ…、ダメ…」
「神崎!!」
その時、教室の扉が勢いよく開き、息せき切らした姫川が登場した。
「姫川…!?」
「やめろ!!」
姫川は教師を突き飛ばし、神崎を守るように自分に引き寄せ、教師を睨みつける。
「ああ、キミは確か姫川君…。なるほど…、そういうことか…」
神崎と姫川を交互に見た教師は2人の関係を察し、小さく笑った。
「オレの神崎に手ェ出したらブッ殺すぞ…!」
「威勢がいいね。…けど、そんなことを言っていいのか? どちらの両親もキミ達のことを黙認しているのか? …しているわけがない。なぜなら、キミはあの姫川家の御曹司だろ?」
「……………」
「オレを脅すことはできない」
教師は姫川の横を通過し、扉の前で足を止めて言葉を続ける。
「オレは神崎君が欲しい。…精々、肌身離さないことだな」
姫川は振り返り、その背中を睨みつけ、神崎を自分の胸板に強く押しつけた。
次号に続く。
(うわぁ。今月も盛り上がってんなぁ…。第3者登場か)
朝、因幡は駅近くの本屋の雑誌コーナーで、コハルが掲載している漫画を立ち読みしていた。
この漫画の存在は、現実の姫川と神崎は知らない。
知られたら姫川の財力で出版社ごと潰されかねないから絶対にバレてはならない。
因幡自身も愛読しているので途中で続きが一生封印されてしまうのも困る。
「単行本は明後日発売か…」
そう呟いたとき、隣にいた人間が本を落としたようだ。
反射的にそちらに顔を向けると、隣にいた古市とばっちり目が合った。
「「……………」」
古市の視線が因幡の持っているBL雑誌に移る。
表紙から、男性と男性がイチャイチャしてるのがわかる。
古市は黙ったまま一歩一歩とたじろぎ、出入口を目指す。
「待て、古市」
「み、見てませんっ。オレはなにも見てません。因幡先輩がホモな本読んでたとこなんて!!」
そう言うと古市は背を向けて出口目指し走りだした。
ゴッ!
だが、出口目前で後頭部になにかが直撃し、倒れる。
因幡が蹴った分厚い百科事典も同時に床に落ちた。
「逃げんじゃねえよ」
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