02:やられたら、やり返します。
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翌日から、因幡の復讐劇が始まった。
いくら、「あの時、教室内にいた全員をやる」といっても、全員の顔なんて覚えているはずがない。
そこで因幡は考え直した。
神崎の教室である3-A組を全員叩きのめす、と。
あの様子を目撃した者、してない者など関係ない。
復讐時間はバラバラだ。
登校中、校内、下校中など。
集団で帰っても無意味だった。
まとめて片付けられてしまう。
復讐から3日目、神崎の教室には指で数えらえるほどの人数しかいなかった。
「おいおい、たったこれだけかよ…」
教室に入るなり、神崎はヨーグルッチを飲みながら教室を見回した。
登校も一緒だった夏目と城山もその状況に驚いている。
因幡にやられた生徒達は、全員家で安静中だ。
「逆恨みもここまでくるとはね…」
「オレ達のクラスに絞って狙ってきてますね」
「フン、まどろっこしいヤロウだ」
神崎は自分の席に着き、机に足を投げ出した。
「オレ、2年の教室に行ってシメてきましょうか?」
城山がそう言いだしたとき、教室にひょっこりと姫川が現れた。
「あのヤロウは今、3-A組をシメるために出払ってる」
城山はコブシを握りしめ、神崎に近づいてくる姫川を睨みつける。
(姫川…っ、わざとか? わざとオレの役割を奪ってるのか…?)
そんな城山の気持ちも知らず、姫川は携帯の画面を見ながら話しだす。
「このままだと、3-Aが全滅しちまうぜ?」
「てめぇには関係ねーよ。なんだ? またオレのヨーグルッチを奪いに来たのか? 言っとくが、もう飲んじまったからな」
神崎は、カラだ、と見せつけるように飲んだばかりのヨーグルッチのパックを振ってみせる。
「そんな構えんなよ。てめぇがやられるのは構わねえが…」
姫川は指先でサングラスを上げ、言葉を続ける。
「てめぇをやったあと、ヤロウは間違いなくオレを狙ってくるだろう。それをのんびりと待ってるほど、オレはお人好しでもヒマでもねーんだ。…バカのてめぇらに知恵を貸してやる」
その言葉に、神崎は目を細めた。
「なにが目的だ?」
「いやぁ、そのパワフルな2年…、欲しいと思ってさ…」
彼らしい笑みが口元に浮かぶ。
「はっ、姫川、てめぇのことだ。金にものを言わせてそいつを手に入れたら、オレか、邦枝か、東条に押し付ける気だろ?」
「……………」
姫川は肯定も否定もしない。
代わりに、「じゃあ、おまえはこのまま全員やられて、自分に順番まわってくるの待ってるつもりなんだ?」と挑発した。
「…チッ」
挑発とわかっていても、そう思われるのは癪だ。
神崎はカラのパックを右手で握りつぶし、放り投げた。
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