16:魔界で大ピンチに。
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
歯を叩き折り、見張りを縛り上げた因幡達。
口にも布をくくりつけ、祭壇と言ってた場所まで道案内させる。
移動中、相沢が東条に尋ねた。
「で、なんで東条さんがここにいるんスか?」
「おまえらの見舞いに来たつもりが、ドア開けて入ったら、ここにいてな…」
タイミングがいいのか悪いのか、転送中にこちらに飛ばされたようだ。
「それで仲間のフリを?」
陣野の視線が東条の後ろにつけられた、サソリの尻尾に移る。
その視線に気付いた東条はそれをとって見せつけた。
「フリというか…」
東条は簡単に説明する。
1、なんだか知らないところに飛ばされました。
2、なんだか知らない連中に襲われかけました。
3、なんだか知らない奴らを倒し、流行ってるかと思って尻尾をいただきました。
4、なんだか知らない連中の仲間に声をかけられ、勘違いされました。
5、なんだか知らないうちに雇われました。
「―――ってことが…」
「知らないことだらけでよく平然と…」
「あ、ホントだ。取れるぞ」
神崎は試しに見張りの尻尾を引っ張ってみた。
すると、いとも簡単に取れる。
「ん゛―――っ!(やめて―――っ!)」
「それで、その緑色はなんだ?」
姫川が尋ねると、東条は「ああ、これか? バイトで使ってた蛍光塗料」と腕に付着した塗料を見せつける。
そんな会話を聞きながら、見張りを繋いだロープを持つ因幡はY字の分かれ道に足を止める。
「次、どっち?」
「……………」
見張りはしばらく間を置いて、右の道を指さした。
「…言っとくけど、もしウソだったら仲間の前で尻尾引っこ抜いて真っ先に殺すからな」
姫川は囁き、スタンバトンで見張りの頬を軽く叩く。
「……………」
冷や汗を流す見張りは、左の道を指さす。
バチィッ!
「~~~っ!!」
姫川は容赦なくスイッチを入れた。
黒焦げの見張りに道案内をさせて数分が経過した頃、神崎が片膝をついた。
「神崎…!」
因幡はロープを陣野に渡し、神崎に駆け寄った。
「ムリねえよ。あれからけっこう時間も経ってるしな」
姫川も近づき、それを見下ろす。
体ももう限界だというのに、神崎は立ち上がろうとする。
「気に…すんな…っ。早く…行かねえと…」
「……だったら、チンタラ歩いてんじゃねーよ」
「ああ?」
姫川を睨みつける神崎だったが、突然腕をつかまれ、そのまま背中に背負われた。
「! おい…、下ろせ…っ」
「下ろしたところでさくさく歩けねえだろ。つうかなにこの軽さ。ヨーグルッチばっか飲んでるから…」
「恥ずかしくねーのかてめー…っ」
「城山、助けんだろ?」
「……っ」
「これが夢だったとしても、目覚めの悪ィことはしたくねーからな…」
そう言って、ようやく神崎も抵抗をやめ、大人しくなる。
「………ここを出たら…、ヨーグルッチ奢ってやるよ…。つうか、奢らせろっ」
「死亡フラグ立つからやめろ、そんな発言」
背負い背負われる2人の背中を見つめる因幡。
「…どうした?」
動かない因幡に東条が声をかけ、はっとした因幡は自分の胸元を強くつかんで答える。
「不覚にもちょっと…、いや、かなり…」
不謹慎ですが、トキメキました。
.