16:魔界で大ピンチに。
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前回のあらすじ。
何者かの手によって、病室で眠っている間に魔界へと連れてこられた、因幡達一行。
散り散りに落とされてしまい、魔界から出る方法と仲間を捜している間、魔界の砂漠で魔獣達に追いまわされるなどで死にそうな目に遭ってきた。
そして、砂漠の先にあった洞窟でようやく全員が再会したかと思えば、神崎はその洞窟にいた魔族に襲われ、毒を受けてしまう。
その際に城山も連れて去られ、現在、因幡達は城山の救出を急いでいた。
「まだ見つかってないのか。これではいつまでたっても儀式ができないぞ」
「ああ。…けど、ムチャクチャに逃げ回ってるなら、奴らが見つかるのは時間の問題だ。ここはオレ達、オブトの巣窟だからな」
尖った耳、口から覗く鋭いキバ、サソリの太い尻尾、微かに緑色に発光する体。
それが彼ら、オブト一族の特徴だ。
逃げ回っているだろう、神崎達を捜す2人のオブトはそんな会話をしながら歩いていた。
「ん?」
「どうした?」
ひとりが、目の端に人影を確認した。
「…こっちに誰か入らなかったか?」
「仲間じゃないのか?」
「バカ。仲間だったら、オレ達みたいに発光してるだろが」
「……なら…」
2人は人影が見えた人一人通れるくらいの横穴に近づき、ひとりずつ入っていく。
「罠だったらどうする?」
「人間は2人だ。うち、一人はオレ達の毒を食らって死にかけのはず。たかが人間になにができる」
嘲笑混じりに言いながら先に進んでいくと、座りこんでいる人影を発見した。
「見ろ。いたぞ」
座り込んでいたのは、神崎だった。
「かわいそうに。足手まといだと思って置いてかれたか?」
先頭にいたオブトが笑い混じりに言い、その顔を覗きこんだ。
「おーおー、こりゃもうすぐダメかもなぁ」
「ぎゃぁっ!!」
「あ?」
突然、背後にいた仲間が悲鳴を上げ、先頭のオブトは何事かと振り返ると、そこには倒れた仲間を右足で踏んで見下ろしている因幡が立っていた。
「お2人様、ごあんな~い」
因幡が笑顔とともにそう言うと、オブトは首に冷たい感触を覚え、肩越しに振り返ると、姫川がスタンバトンを首に押し付けているのが見えた。
「ひ…っ」
バチィッ!!
一瞬、眩い青白い光が辺りを照らした。
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