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迷子の女の子

「みんな元気にしているだろうか?」

 決して広いとは言えないタイムマシンの中で、トランクスは狭いながらものびをした。


ここは時空の狭間の中。

人造人間を倒し、未来にも平和が訪れたことを報告するべく、過去へ向かっている途中だ。




過去にいる仲間の顔が目に浮かぶ。




彼はふっと優しい微笑むを浮かべた。




後、小一時間ほど時空の波に揺られれば、過去へと到着する。


少し仮眠でもとろうかと、座椅子に身を沈め、ふと横に視線を向けた。


「なっ・・・・!」


トランクスは目を見張った。


タイムマシンのほんの数メートル先で、小さな女の子が、白い化け物に首を締められている。



 助けなければ。



 本能的にそう思った。



 だがここは時空の狭間だ。


タイムマシンの外に出たら、どうなるかわからない。

 永遠に時空の狭間を彷徨うことになるかもしれない。
 運良く何処かの時代に辿り着いたとしても、二度と元の時代には帰れなくなる。



「くっ!!・・・・・・・・・はぁっ!!!!」




 気を高めてスーパーサイヤ人になると、トランクスはコックピットから飛び出した。






空間の風を切り裂いて、白い化け物を拳打 する。


 白い化け物は、あっさりと吹っ飛び、倒れた。


 開放された少女の体が重心を失って倒れる。

狭間の奥底に落ちる前に、トランクスは少女を抱き留め、呼び掛けた。


「しっかり!」 

体を揺らして見ると、少女の瞳がわずかに開いた。

ほっと胸をなで下ろし、化け物を睨み付けた。


白い化け物はゆっくりと起き上がると、その赤い瞳を細めた。


「ギェェェ!!」 
 

 雄叫びと共に、頭上に手をかざすと、グニャリと空間がひずんだ。


 ひずみは、小山ほどのブラックホールなり、轟音を轟かせ、辺りを吸い込みだした。


「うわぁぁぁぁ!!!!」


 踏ん張るもその吸引力の凄まじさに、トランクスはブラックホールの中へと吸い込まれていった。
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