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うげぇ

無理だ・・・・。


無理だって言ったのによ。どちくしょー・・・。 


カプセルコーポレーションを潰す。 


その計画は多いに賛成なんだけど・・・。 


何で私がこんなことしなきゃいけないんだっての!!

無数にあるたくさんの機械や、パソコン。 

私は不慣れな黒いスーツを身にまとい、資料を片手にパソコンと睨めっこしていた。 



上の人らしいエラそうなおっさんが、数字を打つ仕事だから、簡単だっつーたけど。


こっちゃぁ、物心ついた時から、ずっと廃墟みたいな町に住んでたんだぞコラ。


ってか何で私、カプセルコーポレーションで働いてるのかしらん・・・。 


片手に握り締めていた資料を机に起き、私は深いため息をついた。 

私は今、カプセルコーポレーションを潰す為、ボスの命令でなんと・・・・・・・・・・・そこで仕事をしている。


ぁー、もうめんどくさいなぁ。

机に投げ出した資料をボンヤリと見ていると、ボスの言っていた言葉が頭をよぎる。

カプセルコーポレーションの若社長は、めっぽう腕っぷしが強くて、武力行使で潰すのは無理。 

だから、カプセルコーポレーションの金庫から、金を盗みだして、破綻させろ 

・・・と。


そうは、言われたんだけど何かふに落ちない。


何でそんな回りくどい方法を選んだのか・・・。



だってどれだけ腕っぷしが強くとも、多勢に無勢ってもんがある。

何十人と仲間がいるんだ、一度にライフルでもぶっ放せば、簡単に終わりそうなものなのに。 


見た目が堅物そうだからと言う理由で、私一人がカプセルコーポレーションに忍び込むことになったことついても交えて、そう抗議したら、ボスは


「一度に若社長にあったことがあるんだが・・・。多勢に無勢なんて言葉が、通じる相手じゃない。お前だったら、女だし相手も油断するだろう。俺たちの中で一番強ぇのはお前だしな。・・・ただ、絶対、若社長とタイマンで勝負しようと思うなよ。解ったか?絶対だからな!なっ?頼むぞ!?聞いてるかルンルン!!」



最後に青ざめた顔をして、ごっっっつい手で腕にすがり付かれた為、私も首を縦に振るしかなかった。



・・・まぁ、何でタイマン勝負をしちゃダメなのか・・・。

その理由はのちにわかったんだけど・・・。



それより、今の問題は目の前にある数字だらけの資料と、見慣れないパソコン。 

仕舞いには、頬杖を突き出した私に、隣の席にいた同い年ぐらいの女がプッと吹き出して、話し掛けてきた。 

「ルンルンさん大丈夫?」

「・・・・んぁ?」


話し掛けられて、マジマジと彼女の顔を見ると、大変可愛らしい・・・。


カフェオレみたいな甘ったるそうな髪色。

腰くらいまであるその髪は、軽くウェーブがかかって身体を包んでいる。


青い目が軽く垂れていて、肉厚な唇にピンクのルージュが妙に色っぽい



えっと・・・誰だったっけコイツ。 


きっと知らない内に、そんな顔をしていたんだろう。
「あっ、ごめんね。私、半年前にここに入社したイラータって言うの。よろしくね。」


「あ、・・・ども」 


軽く頭を下げると、たれ目美女イラータはふわっとした笑顔で、私が机に投げ出していた資料を拾い上げ、座ってた事務椅子ごと私に近づいてきた。 


嫌みじゃない香水の香りが広がる。 


「ここの数字はね。このキーボタンを押して入力して、ここのキーを押すと・・・・ほら!合計額がでるでしょ」



軽やかに指先が動いて、彼女の言った通りに、パソコンの1つの合計欄に、数字が一瞬で現れた。



自分が悪戦苦闘してた分、妙に感動してしまった私は、思わず馬鹿デカイ声で叫ぶ。


「ホントだ。すげー!」

「結構この作業はこれの繰り返しだから、覚えちゃえば簡単よ。マルタさん、こういうこと全然、教えないんだから、ひどいわよね」



マルサってのは、私に数字を打ち込むだけの簡単な仕事と言って、去って行ったおっさんの名前だ。

にしても、地球に仏ってこのことだなぁ。

私はニッコリと笑って、君臨した神にお礼を述べた。

「サンキュー。助かったよ!」


「どういたしまして。また、分からないことがあったら、なんでも言ってね。」


う~ん・・・神だ。

「えっと、イラータさんだっけ・・・?あんた何でそんなパソコンかまえるの?」


「勉強したのよ。人造人間が消えて、平和になったんだから・・・今まで何も出来なかった分、働いて行かなきゃ・・・。死んだ父さんや母さんの分もね」



ポジティブだなぁ。 

こんな人間もいるのね・・・。


そして私はふとある事が、頭に浮かぶ。 


それと同時に休憩の鐘が鳴った。


「なぁ。あんた、飯食ってから暇?」


「えっ?特に予定はないけど・・・」


「じゃぁさ。じゃぁさ。ちょっとこの会社案内してくれない?ここ、無駄に広いじゃん。回りきれないとこは、地図があったら、ありがたいなぁー。ほら、営業科とか、研究室とか、・・・あっ、社長室とかも扉ぐらい拝んどきた・・・・ムグッ!」


金庫漁りする為に、会社の構造を全部把握しときたいなとふと思って、図々しいお願いを頼んだのだが、途中で口を塞がれた。


イラータが脅えたように、目を震わせながらあたりを見渡す。  



なんだよ。


口を塞いでいる手を外し、当りを見ると、殺気がこもった、するどーい視線をこちらに向けている女性社員(全員)。 


その迫力に、さすがの私も一歩引いた。


「あ・・ははは。すみません。失礼しますぅ」

イラータは愛想笑いをすると、私の腕を引っ張って、廊下に私をひっぱりだした。


そして事務室から、少し離れた廊下の一角に来ると、息を吐きながら、その場にしゃがみこんしまった。


「はぁ~、こわかった・・・」

胸に手をあて、ホッと安堵のため息をつくイラータ。


「な、ななな、何だよ。私何かまずいこと言った?」

大いに動揺しまくる私に、イラータは困った顔をして、私を仰ぎ見た。


「ここの女性社員の前で、トランクス社長の名前を出すのは、やめた方がいいよ。」


「な、なんで?」

「みんな社長に好意を持ってる人ばっかりなの・・・。例え、誤解でも社長に恋愛感情を抱いていると思われたら、トイレに呼び出されて、トイレの水に頭押し付けられるかもしれないわ」



「ちょ・・・何そのリアルな例え。ひょっとして・・・」


私はひきつった笑いを浮かべながら、イラータを指差した。


実際、あんた味わったのそれ。っと言う意味だ。



イラータの首がコクリと縦に動く。



「うわ・・・悪質」


思わず顔をしかめたその時だった。


私の体が急に、濡れた。

頭からきれーに。

「あーら、ごめんなさい。ルンルンさん。体が汚れてたから、ついつい水かけちゃったぁ~」


嫌みな口調に賛同して、クスクスと小さな笑い声がおこる。


ずぶ濡れになった髪を掻き上げて、横を見ると、きついたて巻きカール頭をした、ボディコンねぇちゃんが、三人の淡いスーツを来た 女を引き連れて通り過ぎていった。

右から赤青黄色・・・信号スタイル。



最後にフフンと鼻で笑いならが、消えていった。


右手にばっちり使用後のバケツ握り締めてやがって。



「ル、ルンルンさん大丈夫!?」

とすぐさまイラータがハンカチを差し出してくれた。
私はありがたくハンカチを受け取ると、床に零れる顔の水滴を拭った。 

「なるほど、そう言うこと。またまぁ、性根が悪いねぇ」


「うん、この会社の女の人はね。みんな、トランクス社長目当てに入社してる人ばっかりなの。・・・ルンルンさんはそうじゃなかったの?」


「えっ?・・・あー、私は違うよ。純粋にカプセルコーポレーションに勤めたかっただけだ」



.....潰すためにね。



「でも、社長さんがこんなモテモテとは、知らなかったは」


私が苦笑いして水分を含んで重くなった髪をしぼると、イナータはちょっと懐かしむ様に目を細めた。



「人造人間がいたときにね、社長に助けられてるの・・・みんな」


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