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黙秘

・・・でも。


何かいきなりトランクスへの印象最悪じゃなか。私。


タイムマシーンから飛び出し、身の危険をおかしてまで助けてくれた、恩人に「可愛い」なんて・・・・。 



・・・どうしよう。


よくよく考えている内に、反省し始めた。


私は案内された部屋で、トランクスと二人っきり、ブルマがお茶を入れてくれるのを待っていた。 


日当たりの良い場所に、大きなテーブルと、品の良い椅子が何脚かあって、トランクスと対面する形で、腰掛けている。


また、それが気まずい。


クールな目つきはベジータの血を受けついだ彼。

その表情からは、今、何を考えてるのか、さっぱりわからない。




ただ



さっきから、ものすごい沈黙が続いている。




せめて、この沈黙を破ってでも誤らなきゃあ。 



意を決し、沈黙を破ろうと口を開く

「あの・・・」
「そういえば・・・」


と思ったら、トランクスも同時にしゃべりだした。 

「あっ、ごめん。なんだった??」

「い、いえ!!こちらこそすみません。たいしたことじゃないんで、そちらからどうぞ!!」 


「いや、こっちも大したことじゃないんだけど・・・。そう言えば名前をちゃんと言ってなかったなと思って。」

あぁ、そ う言えば。

まぁ名前なんて、とっくに知ってるから、気にしてなかったけど。


トランクスはクールな瞳を少し和らげて、笑った。

「俺はトランクス。いろいろ、複雑な事情があるんだけど・・・一応、さっきの女の人の息子なんだ。」

「トランクス・・さん。」


大好きな人の名前を、本人の前で言うのがこんなに恥ずかしいものだったんだ。
私はうかがう様に、トランクスの瞳を仰ぎ見た。

「トランクスさん・・・あの、さっきはすみませんでした。初対面で、しかも危ないところを助けていただいたのに、いきなり失礼なこと言ってしまって、本当にすみません」

私は深々と頭を下げた。

トランクスは少し驚いた顔をと言うか、ポカーンとした顔をして、慌てたように頭を下げた。 

「あっ、こっちこそすみませんでした。」


幼い女の子と、大の男がペコペコ頭を下げ合ってる。

多分はたから見れば、奇怪な光景に違いない。

プシューと空気が抜けるような音がすると、お盆にケーキとお茶をのせてやってきたブルマが、呆れた様子で、こっちにやってきた。
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