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時の狭間

目を開いて、息を吐いた。

最悪な夢を見てしまった。

家族の夢なんて久しく見てなかったのに。

私は冷たい地面から、半身をお越し、今度は深いため息を漏らした。

立て続けに不思議な出来事が起きたんだから、もぅ驚くことはない。


暗い石畳の道が闇の先に続いている。


その先には門があって、大きな大広間が広がっていた。
大広間の中央には、古びた街灯が立っていて、その光の下には小さなおじいさんが杖をついていた。

ボロボロの布切れの間から、覗く手と顔は緑色。

白い髪が片目をかくし、もう片方の目はおっとりと私を見つめている。

「よくきてくれた。紺碧の気を持つ者。さぁ、わしの目の前に来ておくれ。全て話そう」

緑の手を伸ばし、小さく手招きする。
不思議と怖い感じがしなくて、私は立ち上がると、ゆっくりと門をくぐり、緑の老人の前に立った。

「いや。次元の狭間では大変申し訳ないことをした。すぐ様、あんたさんをここに呼ぼうとしたんだがな。ちと歯茎の調子が悪くて、うまく魔術が使えなかったんじゃ。危うくレートルマンどもにあんたさんの気を、吸い尽くされるとこだった。まったく奴らときたら・・・・」

「あ、あの。ち、ちょっとまって。よくわからないんですけど、あなたは誰なんですか??ここはどこな
の??」
「おっと。いかんいかん。久しぶりに、人と会話をしたのでついな。わしはスクラル。次元を管理するまぁ、神様みたいなもんだ」
「・・・・は、はぁ??」

微妙な返事をする私にスクラルと名乗った自称神様は少し拗ねた顔をした。 

「まったく信じとらんな。まぁいい。ここは『時の最果て』最後の世界が滅びた超未来。あんたさんが暮らしている地球がなくなり。宇宙が消えたのより、ずっとずっと遥か先の未来じゃ」
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