迷子の女の子
憎らしいくらい、切ない夕日が差し込んでくる。
(・・・なんだ。全部夢だったんだ。)
私はぼ~っとする頭を片手で、押さえながら、体を起こした。
(あー・・・・ひょっとして、無断欠勤しちゃった?どーしよー。・・・・って、あれ??)
寝ぼけ眼で回りを見回して、私はようやくここが自分の部屋じゃないことに気がついた。
私の部屋とは比べ物にならないほど馬鹿でかいスペースに、品の良い、家具や観葉植物が豪華に置いてある。
(・・・・・っ!?)
立ち上がろうとして、不意に喉に痛みが走った。
思わず、顔を歪めて、首に手を延ばす。
そしてギョッとした。
手の爪の間に、白い皮膚のような物が詰まっているのだ。
これが何なのかすぐに分かった。
あの穴の中にいた白い化け物の皮膚。
きっともがいて暴れた時に、ひっかいて付着したのだろう。
・・・さっきの出来ごとは夢じゃない。
しかも・・・・・。
気のせいだろうか。
何か・・・。
手が・・・小さくなった気がする。
立ち上がって、両腕を前へ延ばしてみた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・短い。
自分の体を左右にひねって見て見る。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・体にメリハ リがない。
もとからないけど・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ついでに床が妙に近い。
私は慌てた。
部屋に備え付けられている、自分の倍は大きい化粧台まで走り、デカいイスによじ登って、鏡の前に立つ。
そこには、5歳ぐらいの淡く栗毛に染めた、小さな女の子が写っていた。
・・・・・・・・は、はいぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!!??