襲撃

「あとでわたしがチビトラくん家で、おいしいお菓子を出血大サービスでつくってあげる! だからブルマさんの買い物地獄からすくって! このままダッシュで逃げるのよ!」

 迫力に押されながら、チビトラが「ええー!」と反抗的な態度をとる。

「無理に決まってるだろー! あのちょー楽しそうなママ見てみろよー。逃げられるわけないじゃん」
「チビトラ君だって、ちょーすごい脚力してるんでしょ? ちょー強いんでしょおおお!」
「へー、美波ちゃん、買ってもらうの。嫌なんだ」

 ものめずらしそうに悟天くんがいうけど、限度の問題なんですってー!

 わたしは二人の首を締め上げる勢いで、うでに力をこめた。

「ふたりだって、買い物につきあわされるより、遊んだ方が楽しいでしょ? ちょっとの間よ! お願い!」

 目をうるうるさせると、チビトラくんが少し頬を赤くそめて、「ちぇ、しょうがないなー」とわたしの手を握った。

「おい、悟天。そっちの手掴めよ。スーパーミラクルハイパーゴージャスグレートダッシュだ」
「ええ、でもぼくアイス・・・・・・」
「ほら! 三・・・・・・二・・・・・・一」
「はわわわ」

 悟天があわてて、わたしの手を握りかまえる。

「ダアアアアッシュ!」
「きゃああああ! おさえてぇぇぇぇ!」

 速い! 速すぎる!

 背中から「ちょっとあなたたち、待ちなさああああい
!」とブルマさんの声がひびいた。


*****


「あー、行っちまったな」
「あれは逃げたな」

 土煙をあげて、走りさるちびっ子たちをながめながら、ヤムチャとクリリンが苦笑いする。

 ブルマがぎりぎりと財布をつかみながら、山積みの荷物を抱えるトランクスをにらんで、ちびっ子たちを指さした。

「トランクス! 追うのよ! せっかくテンション上がってきたのに!」
「ええっ? あ、あの母さん。すこし自由にさせてあげても・・・・・・」
「はやくしなさい!」
「は、はい! ヤムチャさん、クリリンさん、荷物お願いします」

 トランクスは荷物をその場に奥と、高速で走り去っていったちびっ子たちに呆然としている人だかりをかけていった。
  
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