平和の事実
今、何て言った?
みんなが
トランクスを怖がってる?
「・・・・どうして」
「俺が人には無い力を持ってるから・・・。皆、人造人間の力をイヤってほど見てるからね。その人造人間を倒した俺を、皆が怖がるのは当然だよ・・・」
何それ・・・。
急加速で、私の頭に血がのぼる。
だっておかしいじゃないか。
何度も何度も、戦士達に恋い焦がれて、ドラゴンボールの本を読み返してきた私は、ちゃんと知ってる。
トランクスは皆の為に、ずっと戦ってきた。
仲間を失って
父親も、師も失って
それでも戦ってきた。
ずっと
たった独りで・・・。
なのに、そんなのおかしい。
「変だよ。それ。どうして・・・どうして」
「仕方がないんだ。俺は異質な存在だから」
そう言って笑うトランクス。
それがとても悔しかった。
まさか。漫画の先がそんな結末になっていたなんて・・・・。
鼻がツンとして、体から熱い物が込み上げる。
気が付いたら、私は泣いていた。
大声を張り上げて、悔しさをぶちまけるように泣いていた。
これじゃぁ、ホントに子供だよ。
こんな泣き方をしたのは、一体何年ぶりだろう。
涙で視界がぼやけて、何も見えなかったけど、きっとトランクスは泣きわめく私に相当ビックリしただろう。
「み、美波ちゃん・・・?ちょっと・・・」
トランクスのオロオロした声が、私の泣き声を擦り抜けて耳に入ってくる。
あぁ、情けない。
ホントに泣きたいのは私じゃなくて、トランクスなはずなのに・・・。
そう思うと、余計悔しくなって、私の泣き声はさらに大きくなる。
「美波ちゃん・・・」
しばらくして私の顔に、大きな手が伸びてきた。
涙か鼻水なのか、訳が分からないほどグチャグチャになった顔を、その大きな手が拭う。
「ごめんね、暗い話して。お願いだから、もう泣かないで」
私は自分で残った涙を拭うと、唇を内側に巻き込んで、どうにか涙を飲み込んだ。
「・・・皆・・・ひどいよ。お兄ちゃんだって、被害者なのに・・・」
引き付けをおこしながら、悔しさを言葉に紡ぐ。
顔を上げてトランクスの顔を見たら、また涙が溢れだしそうで、私は自分の膝をじっと見つめていた。
トランクスはそんな私の頭を撫でて「・・・ありがとう」と呟いた。
「美波ちゃんが、そう思ってくれるだけで、俺は救われるよ」
嘘だよ。そんなの。
私がトランクスのことをどれだけ思ったって、現状は何一つ変わらない。
でも、トランクスは明るい口調で私に話し掛ける。
「そうだ。美波ちゃん。明日俺に1日付き合ってくれない?」
「付き合う・・・?」
「うん。明日、この時代の仲間に、俺の時代が平和になったことを報告しに行くつもりなんだけど。美波ちゃんに仲間を紹介したいんだ。」
そう言ってニコリと笑顔を見せてくれる。
何て強い人だろう。
そんな現状になってるなんて、予想もできないぐらいの優しい微笑みだ。
私は噛み締めていた唇を解き、彼の笑顔に応える様に、精一杯笑ってみせた。
「行く!お兄ちゃんの友達に会いたい」
「よかった。じゃぁ明日も早いしもう寝ようか。・・・カードキーちゃんと持って来た?」
ちょっとからかう様に、尋ねるトランクス。
「そ、そう簡単にドアの命を無駄にしないから!!」
と言いつつ、内心焦ってポケットに入れておいたカードキーをまさぐった。
いやぁ、ちゃんと持ってきたのは自分も知ってるんだけど、追求されると自信が無くなるじゃん。
「しばらくは俺がドアを壊す心配はないかな」
私がポケットを漁る姿をバッチリ目撃したトランクスは、またプッと吹き出した。
ははは・・・。
何か笑われっぱなしだな。
でも、まぁいっか。
今の私にとって、トランクスが楽しそうに笑ってくれてる事が、とてもうれしい事だった。
みんなが
トランクスを怖がってる?
「・・・・どうして」
「俺が人には無い力を持ってるから・・・。皆、人造人間の力をイヤってほど見てるからね。その人造人間を倒した俺を、皆が怖がるのは当然だよ・・・」
何それ・・・。
急加速で、私の頭に血がのぼる。
だっておかしいじゃないか。
何度も何度も、戦士達に恋い焦がれて、ドラゴンボールの本を読み返してきた私は、ちゃんと知ってる。
トランクスは皆の為に、ずっと戦ってきた。
仲間を失って
父親も、師も失って
それでも戦ってきた。
ずっと
たった独りで・・・。
なのに、そんなのおかしい。
「変だよ。それ。どうして・・・どうして」
「仕方がないんだ。俺は異質な存在だから」
そう言って笑うトランクス。
それがとても悔しかった。
まさか。漫画の先がそんな結末になっていたなんて・・・・。
鼻がツンとして、体から熱い物が込み上げる。
気が付いたら、私は泣いていた。
大声を張り上げて、悔しさをぶちまけるように泣いていた。
これじゃぁ、ホントに子供だよ。
こんな泣き方をしたのは、一体何年ぶりだろう。
涙で視界がぼやけて、何も見えなかったけど、きっとトランクスは泣きわめく私に相当ビックリしただろう。
「み、美波ちゃん・・・?ちょっと・・・」
トランクスのオロオロした声が、私の泣き声を擦り抜けて耳に入ってくる。
あぁ、情けない。
ホントに泣きたいのは私じゃなくて、トランクスなはずなのに・・・。
そう思うと、余計悔しくなって、私の泣き声はさらに大きくなる。
「美波ちゃん・・・」
しばらくして私の顔に、大きな手が伸びてきた。
涙か鼻水なのか、訳が分からないほどグチャグチャになった顔を、その大きな手が拭う。
「ごめんね、暗い話して。お願いだから、もう泣かないで」
私は自分で残った涙を拭うと、唇を内側に巻き込んで、どうにか涙を飲み込んだ。
「・・・皆・・・ひどいよ。お兄ちゃんだって、被害者なのに・・・」
引き付けをおこしながら、悔しさを言葉に紡ぐ。
顔を上げてトランクスの顔を見たら、また涙が溢れだしそうで、私は自分の膝をじっと見つめていた。
トランクスはそんな私の頭を撫でて「・・・ありがとう」と呟いた。
「美波ちゃんが、そう思ってくれるだけで、俺は救われるよ」
嘘だよ。そんなの。
私がトランクスのことをどれだけ思ったって、現状は何一つ変わらない。
でも、トランクスは明るい口調で私に話し掛ける。
「そうだ。美波ちゃん。明日俺に1日付き合ってくれない?」
「付き合う・・・?」
「うん。明日、この時代の仲間に、俺の時代が平和になったことを報告しに行くつもりなんだけど。美波ちゃんに仲間を紹介したいんだ。」
そう言ってニコリと笑顔を見せてくれる。
何て強い人だろう。
そんな現状になってるなんて、予想もできないぐらいの優しい微笑みだ。
私は噛み締めていた唇を解き、彼の笑顔に応える様に、精一杯笑ってみせた。
「行く!お兄ちゃんの友達に会いたい」
「よかった。じゃぁ明日も早いしもう寝ようか。・・・カードキーちゃんと持って来た?」
ちょっとからかう様に、尋ねるトランクス。
「そ、そう簡単にドアの命を無駄にしないから!!」
と言いつつ、内心焦ってポケットに入れておいたカードキーをまさぐった。
いやぁ、ちゃんと持ってきたのは自分も知ってるんだけど、追求されると自信が無くなるじゃん。
「しばらくは俺がドアを壊す心配はないかな」
私がポケットを漁る姿をバッチリ目撃したトランクスは、またプッと吹き出した。
ははは・・・。
何か笑われっぱなしだな。
でも、まぁいっか。
今の私にとって、トランクスが楽しそうに笑ってくれてる事が、とてもうれしい事だった。