平和の事実
「それから、美波ちゃん、はいこれ。」
「・・・・・・?何ですか?」
反省していると、ブルマから、一枚のカードを差し出された。
「美波ちゃんの部屋の鍵よ。オートロックが掛かるから、気を付けてね。」
オートロック・・・・。
「・・・ものすごく自信がないですけど」
あれでしょ。
修学旅行で、誰かが必ずやってしまう、
「部屋に入れないー!!やべぇ、どうしよう」
って言う、お約束のドジのことでしょ・・・。
経験者だよ。私は。
絶対、部屋にこのカードキー置いたまま、出ていって、ムンクの叫びを上げることになる。
「・・・あの、そんなハイテク技術いらないので、ドアのロックシステムって無くせないですか?」
「あらダメよ。隣はトランクスの部屋何だから・・・。もしトランクスがまかり間違ったら、大変でしょ?」
・・・・ぶっ!!
「何をですかっ!?」
すかさず、突っ込みを入れるトランクス。
「ふふふ・・・。冗談よ!じょーだん♪赤くなっちゃって、可愛いんだから。トランクス、後で美波ちゃんを案内して上げてね。あんたが昔使ってた部屋の隣よ」
「・・・・・・・~!!」
すごいなぁ。
子供の姿の私を使って、息子をおちょくる母も。
それに純粋に遊ばれる息子も。
多分なかなかいないと思う。
私はこっそり、両手を合わせて、二人を拝んだ。
小さいトランクスが頭に「?」を浮かべて、そんな私を見ていたけど、まぁ、気にしない。
なかなかお目にかかれない、貴重なワンシーンをどうもありがとう。
***********************
「ごめんね。あんな性格の母さんだから」
夕飯を食べ終え、トランクスに部屋を案内されていると、いきなり謝られた。
どうやら、とってもとっても、さっきのことを気にしていたらしい。
「私は全然気にしてないですよ。でも・・・」
私はさっきの貴重なシーンを思い出して思わず、ぷっと吹き出した。
「純粋ですね。トランクスさん」
「ははは・・・そう・・・かな?」
何故か、引きつった笑みを浮かべるトランクス。
「・・・それにしても、美波ちゃんって妙に大人っぽいんだな。歳はいくつ?」
「え、え~とぉ・・・」
今度は私の顔が引きつる番。
しどろもどろになる私に、トランクスは問い詰める様子もなく、黙々と廊下を歩いていった。
うー、気まずい・・・。
結局私は、何も答えず、黙ってトランクスの後をついていった。
「着いたよ。」
そう言ってトランクスが、立ち止まったドアは、いたって他の部屋と変わらない。
ただ、カードキーを通すらしい機械の位置がちゃんと子供の身長に、合わせて設置してある。
へぇー。
トランクスはカードキーを取り出すと、かがんで機械にカードを滑らした。
シュッと小さな音を立ててドアが開く。
ドアをくぐり、部屋を見渡した。
私が最初に寝ていた部屋と同じ、いたってシンプルな構造。
うん、家具やベッドの位置はあまりかわらない。
ただすべてが子供サイズにミニマム化していて、何となく子供向けの、クッションやカーテンが掛かっている。
もとから子供用ゲストルームなんだろうな。
さすがお金持ち・・・。
「はい、これ。」
キョロキョロと周りを見回す私に、トランクスはカードキーを手渡した。
「多分あっちがトイレで、その向こうがシャワールームかな?ベッドの横に電話があるから、解らないことがあったら、内線かけて。」
私は手渡されたカードキーを不安げに見つめる。
「・・・やっぱりロック無くせないですか?」
どこまでもオートロックを嫌う私。
トランクスは困ったように笑った。
「う~ん。まぁ、もし部屋にカード忘れて出たら、俺を呼んで。・・・最悪、こじ開けるから」
「よ、予備のカードキーとかないんですか!?」
「あるとは思うけど・・・。母さん整理整頓が苦手だから。・・・多分、すごく探すことになると思う。そのカードキーもかなり必死で探してたし」
「・・・・」
つまりこのカードを部屋に忘れたら最後、ドアの命は無いに等しいってことか・・・。
と、とりあえずドアに「カードキー!!!!!!!!!!!!」って張り紙を付けておくことにしよう。
ドアの命は絶対守る決意を胸に、私は渡されたカードキーを握り締めた。
「・・・・・・?何ですか?」
反省していると、ブルマから、一枚のカードを差し出された。
「美波ちゃんの部屋の鍵よ。オートロックが掛かるから、気を付けてね。」
オートロック・・・・。
「・・・ものすごく自信がないですけど」
あれでしょ。
修学旅行で、誰かが必ずやってしまう、
「部屋に入れないー!!やべぇ、どうしよう」
って言う、お約束のドジのことでしょ・・・。
経験者だよ。私は。
絶対、部屋にこのカードキー置いたまま、出ていって、ムンクの叫びを上げることになる。
「・・・あの、そんなハイテク技術いらないので、ドアのロックシステムって無くせないですか?」
「あらダメよ。隣はトランクスの部屋何だから・・・。もしトランクスがまかり間違ったら、大変でしょ?」
・・・・ぶっ!!
「何をですかっ!?」
すかさず、突っ込みを入れるトランクス。
「ふふふ・・・。冗談よ!じょーだん♪赤くなっちゃって、可愛いんだから。トランクス、後で美波ちゃんを案内して上げてね。あんたが昔使ってた部屋の隣よ」
「・・・・・・・~!!」
すごいなぁ。
子供の姿の私を使って、息子をおちょくる母も。
それに純粋に遊ばれる息子も。
多分なかなかいないと思う。
私はこっそり、両手を合わせて、二人を拝んだ。
小さいトランクスが頭に「?」を浮かべて、そんな私を見ていたけど、まぁ、気にしない。
なかなかお目にかかれない、貴重なワンシーンをどうもありがとう。
***********************
「ごめんね。あんな性格の母さんだから」
夕飯を食べ終え、トランクスに部屋を案内されていると、いきなり謝られた。
どうやら、とってもとっても、さっきのことを気にしていたらしい。
「私は全然気にしてないですよ。でも・・・」
私はさっきの貴重なシーンを思い出して思わず、ぷっと吹き出した。
「純粋ですね。トランクスさん」
「ははは・・・そう・・・かな?」
何故か、引きつった笑みを浮かべるトランクス。
「・・・それにしても、美波ちゃんって妙に大人っぽいんだな。歳はいくつ?」
「え、え~とぉ・・・」
今度は私の顔が引きつる番。
しどろもどろになる私に、トランクスは問い詰める様子もなく、黙々と廊下を歩いていった。
うー、気まずい・・・。
結局私は、何も答えず、黙ってトランクスの後をついていった。
「着いたよ。」
そう言ってトランクスが、立ち止まったドアは、いたって他の部屋と変わらない。
ただ、カードキーを通すらしい機械の位置がちゃんと子供の身長に、合わせて設置してある。
へぇー。
トランクスはカードキーを取り出すと、かがんで機械にカードを滑らした。
シュッと小さな音を立ててドアが開く。
ドアをくぐり、部屋を見渡した。
私が最初に寝ていた部屋と同じ、いたってシンプルな構造。
うん、家具やベッドの位置はあまりかわらない。
ただすべてが子供サイズにミニマム化していて、何となく子供向けの、クッションやカーテンが掛かっている。
もとから子供用ゲストルームなんだろうな。
さすがお金持ち・・・。
「はい、これ。」
キョロキョロと周りを見回す私に、トランクスはカードキーを手渡した。
「多分あっちがトイレで、その向こうがシャワールームかな?ベッドの横に電話があるから、解らないことがあったら、内線かけて。」
私は手渡されたカードキーを不安げに見つめる。
「・・・やっぱりロック無くせないですか?」
どこまでもオートロックを嫌う私。
トランクスは困ったように笑った。
「う~ん。まぁ、もし部屋にカード忘れて出たら、俺を呼んで。・・・最悪、こじ開けるから」
「よ、予備のカードキーとかないんですか!?」
「あるとは思うけど・・・。母さん整理整頓が苦手だから。・・・多分、すごく探すことになると思う。そのカードキーもかなり必死で探してたし」
「・・・・」
つまりこのカードを部屋に忘れたら最後、ドアの命は無いに等しいってことか・・・。
と、とりあえずドアに「カードキー!!!!!!!!!!!!」って張り紙を付けておくことにしよう。
ドアの命は絶対守る決意を胸に、私は渡されたカードキーを握り締めた。