黙秘

「何、ヘコヘコ頭下げ合ってるの??はいはい!どいてどいて。お茶がおけないでしょ!」


二つの頭を邪険に払うと、ブルマはテキパキと、テーブルの上を豪華に仕上げていった。


何が豪華って


・・・・その量

お茶とケーキって言ってたのに、何だその尋常じゃない量は。


ブルマの後から、何かついてきたなと思ったら、ブルマ同様、お盆にケーキを乗せた、小さなロボットが一体、二体、三体・・・・。


「・・・・・・・・」

最後のロボットがケーキをテーブルにおいた時には、20人分は余裕にありそうなパーティー状態になっていた。


「ブルマ・・・さん??これ・・・」

「あ、気にしないて美波ちゃん。自分の食べれる量を食べて頂戴」


「は、はぁ・・・」



理由はすぐにわかった。



そっか、サイヤ人って、すごく食べるんだったっけ。 


悟空とか悟飯。
あとベジータや、小さいトランクスや悟天が、わんこソバみたいに、空の皿を積み上げていくイメージはあったんだけど




そうか。未来から来たトランクスも例外じゃないんだね。 


私がショートケーキを1個。 

ブルマがモンブランを1個食べているうちに、トランクスの前に、空の皿がドンドン積み上がっていく。 



「びっくりし た?私の周り、ホント大食らいが多いのよ。全員集合したら、さらにすごいわよ~」

はははは・・・・。

それは、見物だ。


「ところで・・・」

ひとしきりのケーキを制覇したトランクスが、ふと私に顔を向ける。

「美波ちゃん。何であんな所にいたんだい?それにあの怪物は一体・・・・?」
「あの、それは・・・」


そこまで言って、私は口をつむぐ。 まさか



異世界から、時の神を名乗る緑のおじいちゃんに、時空の狭間に落とされて、あの怪物に襲われましたぁ。



と説明するのか。


ちょっと言えない。


いや、この二人のことだから、正直に話しても、信じてくれるかもしれない。


でも・・・。


何か嫌なんだよね・・・。


だって私も今だに信じられないんだもん。


これが夢か現実かも。 


自分でもハッキリしていないことを、人に話して回りを引っ張り回すのは、主義じゃない。 



・・・どうしよう。


「美波ちゃん・・・?」


黙ったままうつむいていると、トランクスが心配そうな顔をする。 



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