時の狭間
トランクスに出会えたことはうれしい。
ものすごくうれしいんだけど。
「大迷惑な話ですね」
床に腰掛け、じっと聞き入っていた私は、ジト目でスクラルを睨んだ。
「そういうな、わしだって苦労したんじゃぞ」
スクラルは、のんびりと伸びた髭を撫でた。
私は何もない黒い空を仰いだ。
誰だよ。
私にこんな迷惑な役柄を押しつけたのは。
「しかしドラゴンボールの住人が姿を表してくれたのはありがたい。元より、あんたさんをドラゴンボールの世界に隠すつもりだったからのぉ」
「えっ・・・・・??」
スクラルはひょいと杖を振りかぶると私の鼻先に突き付けた。
「な、ななによ。急に」
「よく聞け紺碧の気を持つ者。これからあんたさんをまたドラゴンボールの世界に戻す。そこでわしが良いというまで、隠れとるんじゃ。」
「隠れるって・・・どういうことよ」
「あの世界に存在するサイヤ人。あやつらの近くにおるんじゃ。あの強い気のそばにおれば、紺碧の気ぐらいすっぽりと隠してしまうだろう。」
なるほど・・・・。
妙に納得してしまった。
「それでも、もしさ。もし、見つかっちゃったら、どうするの??」
「・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・しらん」
「はっ!?」
スクラルの杖が私のおでこをコツンと叩いた。
そんな強く叩かれたわけではないのに、頭に凄まじい激痛が走り、私の意識はゆっくりと遠退いていった。
薄れる意識の中で、スクラルの声がする。
「Drリトルは、今のままでは誰にも倒せん。だが絶対にあんたさんを無事に元の世界に返す!よいか紺碧の力をそれ以上奪われてはならん。こんど吸い取られたら、子供の姿になるぐらいじゃすまんぞ。その力は・・・・・」