進撃の巨人 2

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ある国に、人と巨人が平和に暮らしていた。
巨人は家畜の牛や羊と同じように放牧で飼われており、その国でリヴァイはエルヴィンの元で住み込みで働いていた。
5年も経てば手慣れたもんで、何体もの巨人を飼い慣らす。
同じく住み込みで働いているハンジは、まるで闇医者の如く飼い慣らした巨人を研究。
怪しいところもありつつ、人々は平和に暮らしていた。
そんなある日、一体の女型の巨人が子供を産んだ。
2m級の可愛らしい巨人の子。
エルヴィンはその子の世話をリヴァイにさせる事にした。


「リヴァイ、君が名前を付けなさい」

「……………………じゃ、エレン……」

「そうか、エレンの世話は頼んだよ」

「……おい、エルヴィン」

「なんだい?」

「こいつの母親はどうした?」

「あぁ、母親なら育児放棄をしてしまってね……だからエレンの世話はリヴァイに任せる」

「…………そうか」


リヴァイはエレンの頭を撫でてやる、するとエレンは甘えるようにすり寄ってきた。



― ― ―



「エレン!」

『!…ア"ァァァ……』

「よしよし、良い子だなお前」


エレンはすっかりリヴァイになついていた。
今まで育ててきた巨人の中で一番利口な方だ。
エレンは正義感が強く、他の巨人がケンカをしていると仲裁に入り止めさせる。
リヴァイはそれが自慢だった。


「………………そういや、エレン。
お前この間、アニとケンカしてやがったな…」

『っ!!』

「他の奴の仲裁はすんのに、テメェがケンカしてどうすんだ」

『クゥーン………』

「……なんだ反省してやがんのか、人間みてぇだな」

『ア"ァァ……』


エレンは同じ年に産まれたアニとよくケンカをする。
その時は鎧の巨人のあだ名が付いているライナーが仲裁に入る。
ケンカする程仲が良いなどと言うが、頭やら腕やら血が飛び散るのでケンカと言うよりは殺し合いだ。
エルヴィンは急所を狙わなければ好きにさせて良いと言うが、好きにさせたらあちこちで殺し合いが始まりそうな気がする。


「………産まれた時よりデカくなったな、お前」

『ガァァァ……』


エレンの今の身長は8m程にまで成長。
巨人の成長はかなり早い。



― ― ―



『オォォォォ!!』

『アァァァ!!』

「……………………またかよ……」


15mに成長したエレンと14mに成長したアニのケンカ、もはや日常茶飯事だったりする。
リヴァイは止める気にならず、とりあえず見守ってみた。
ライナーが仲裁に入るも中々収まらず、最後は60m級のベルトルトも心配で仲裁に入った。


「ねぇ、リヴァイ」

「あぁ?」

「ベルトルトが入ればすぐ収まるね」

「………収まると言うよりは強制終了だけどな」

「あははは!確かに!
あ、そう言えばあの子達のレントゲンを撮ったらね、面白いものが写ったんだよ!」

「…………いつの間にやったんだよ」

「リヴァイの寝ている間にね」

「……………………………」

「もちろん見るだろ?」

「………あぁ」


エレン達の事はベルトルトに任せハンジの研究室に向かう。
先に来ていたエルヴィンと共にレントゲン写真を見ると、不思議なものが写っていて2人は血の気が引いた。

「…………おい、なんだこりゃ……」

「ハンジ、これは本当なのか?」

「あぁ、本当だよ………。
彼らはれっきとした“人間”なんだ…!」


レントゲン写真に写っていたのは巨人のうなじ部分にある“人の陰”。
だが全ての巨人に人影が写ったわけではない。
エレン・アニ・ライナー・ベルトルトの4人だけに人影があった。


「………では、うなじを開けば人が出てくるというのか?」

「ま、そうゆう事だろうね」

「………っ…………」


リヴァイは興奮した。
“巨人としてのエレン”ではなく“人としてのエレン”に会えるのか、と。


「リヴァイ……」

「………なんだ…」

「エレンに会いたくないかい?」

「………………会いたくない訳ねぇだろ」

「フッ………だろうと思ったよ」


夜、エレンの肩に乗り頬を撫でてやると、猫のように喉を鳴らすエレン。
その姿を見ながらリヴァイは思った。
こいつと肩を並べて歩けるのか……、と。
世話を焼いている時、たまにこいつが人だったら……、そう考えた事が幾度となくあった。
いつか会えるのを楽しみにしながらエレンの手のひらでリヴァイは眠りにつく。



-終-
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