The Unowned Soul
name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
影は伸びてゆく
身を射る光のその陰で。
どれだけ遠くへ逃れようとも
迷い子は母を忘れじ。
仮初の微睡みの狭間にて
時間は巻き戻る。
黒き糸を手繰り寄せ、あの日々に。
救われたのだと信じるために。
──だが
赦されてなどいないと、思い知るために。
尸魂界において、もっとも命の価値が軽いところ。もっとも重い絶望に満ちたところ。もっとも鮮やかな血に染まったところ。もっとも暗い魂が行きつくところ。
北八十地区——更木。
私は、そこにいた。
現世での死後に流れ着いたのか、流魂街で産み落とされたのか、何も知らない。
どうやって暮らしていたのか、そんなことはもう分からない。
ただ、覚えているのは――。
腹が減って、 腹が減って、腹が減って、仕方がなかった。
奪うことを覚えた。逃げることを覚えた。傷つけることを覚えた。騙すことを覚えた。殺すことを覚えた。
そうして、気がついた時には――それを握っていた。
黒く、重く。月明かりに照らされて、鈍く光る塊。その刀身に映る己の姿は醜く、恐ろしかった。言葉や道理を知らぬ獣にも、自らの醜悪さだけは理解できた。その恐怖から逃げるように、何度も、何度も、遠くへ投げ捨てた。
なのに。目が覚めると、それは必ず私の傍に転がっている。いくら捨てても、どれほど遠くへ追いやっても、絶対に私の手元へ戻ってくるのだ。まるで、母親の抱擁のように。奇妙な温もりと安堵感から目を背けながら、私はそこにいた。
それが、死神の持つ『斬魄刀』というものであると知ることになるのはそう遠くない、未来の話。
身を射る光のその陰で。
どれだけ遠くへ逃れようとも
迷い子は母を忘れじ。
仮初の微睡みの狭間にて
時間は巻き戻る。
黒き糸を手繰り寄せ、あの日々に。
救われたのだと信じるために。
──だが
赦されてなどいないと、思い知るために。
尸魂界において、もっとも命の価値が軽いところ。もっとも重い絶望に満ちたところ。もっとも鮮やかな血に染まったところ。もっとも暗い魂が行きつくところ。
北八十地区——更木。
私は、そこにいた。
現世での死後に流れ着いたのか、流魂街で産み落とされたのか、何も知らない。
どうやって暮らしていたのか、そんなことはもう分からない。
ただ、覚えているのは――。
腹が減って、 腹が減って、腹が減って、仕方がなかった。
奪うことを覚えた。逃げることを覚えた。傷つけることを覚えた。騙すことを覚えた。殺すことを覚えた。
そうして、気がついた時には――それを握っていた。
黒く、重く。月明かりに照らされて、鈍く光る塊。その刀身に映る己の姿は醜く、恐ろしかった。言葉や道理を知らぬ獣にも、自らの醜悪さだけは理解できた。その恐怖から逃げるように、何度も、何度も、遠くへ投げ捨てた。
なのに。目が覚めると、それは必ず私の傍に転がっている。いくら捨てても、どれほど遠くへ追いやっても、絶対に私の手元へ戻ってくるのだ。まるで、母親の抱擁のように。奇妙な温もりと安堵感から目を背けながら、私はそこにいた。
それが、死神の持つ『斬魄刀』というものであると知ることになるのはそう遠くない、未来の話。
