STONE WORLD
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サバイバル生活を始めた私達
石を集めて打製石器作り
あっという間にできあがり、なんてことはなく
石を石で削るのはかなりの重労働
でも石の種類によって違いがあるため
試すことは楽しかった
なんとか石器を作り上げると
茎をほぐして編んで紐作り
思ったより丈夫なので安心した
これから紐はなんにでもいるからたくさん作らなきゃ
枝にくくりつけ弓を作り
ついに火をおこすことに成功した
これで食事の幅は広がるし夜でも作業ができる
それから石器と紐を使って罠を作り
鹿を捕まえてありがたく頂き
その皮で服や袋を作った
やっぱり葉っぱより動きやすい
次は住居作り
手分けして木や葉っぱを集めて
大木の上に組み立ててツリーハウスを作った
やっと、生活って感じがする
▽
ここからは二手に分かれての作業が増えた
千空は文明を取り戻すべく研究室を作り
石化を解く方法を探る
離れたところに大樹くんも見つけたみたい
大樹くん、早く話がしたいな
私は生活水準の向上を目指すため
まずは土器作り
粘土と砂を混ぜて形を作り乾かしてから焼き上げる
陶芸はしたことあるけど1から全て作ったことはないから時間がかかりそう
材質選びも重要だし
ゆくゆくは窯も作りたい
土器があれば水を汲んでおけるしご飯作りにも役立つ
千空の研究にも必要なものだ
私達は少しずつ前へ進んでいた
▽
「おら、着いたぞ
くっちゃべってねぇでテメーも働け」
「千空…お前
ゼロからこれを…!」
小さな窯を作り、かめを作っていると
賑やかで聞き覚えのある声が聞こえた
『大樹くん?』
「も、もしや…翼か!!」
『久しぶりだね!大樹くん!』
「うおおおおお翼!!」
『わ!』
涙を流しながら私に抱きつこうとした大樹くん
その間にいた千空は持っていた枝で大樹くんの足をひっかけ盛大にこけさせた
ドシンッ
「ぬおおお!」
『だ、大丈夫?!大樹くん』
「だーから!素っ裸同然の格好で抱きつこうとすんじゃねえ!」
千空は相変わらず大樹くんの扱いが雑だ
そんな二人のやり取りも懐かしく感じる
大樹くんの近くに膝を付きそっと手を握った
『おはよう、大樹くん
また会えて本当に嬉しいよ』
「翼…!翼も先に起きていたんだな
無事でよかった…本当に」
互いの無事を確かめあい感傷に浸るのも束の間で
千空は大樹くんを足蹴にした
「はいそこまでだ、起きろデカブツ
マンパワーが足りねえ!
俺らだけじゃ生活基盤作成だけで一日が終わる
こっから先の文明に進むにはどうしても体力バカが欠かせねえ」
『ずっと待ってたんだよ、大樹くん』
「100億%生きてるって分かってたからな!
杠に言うって決めた男が志半ばで
たかが数千年ぽっちふんばれねえような
んなタマじゃねえだろテメーはよ!」
「ああ もちろんだ!」
夕飯の準備をしながらこれからの決意を言葉にした
「頭を使うことは千空に
作り物は翼に任せる!
体を使うことは俺に任せろ!」
『頼りにしてるよ!』
「人類が石の時代から近代文明まで200万年
そこを一気に駆け上がる
世界を取り戻してやる!
石化や復活の原理も科学的に突き止めて」
「杠も助け出す」
『うん!』
「俺ら高校生のガキ三人で
ゼロから文明を作り出すんだよ
この石の世界のアダムとイブになってやる
唆るぜこれは!」
「翼がイブだな!
アダムは千空と俺のどっちだ!?」
「喩えだ
お前にやるか!」
『リンゴ食べたら賢くなるんだって』
「ノるな!」
▽
大樹くんのおかげで食材集めは随分と助かっている
私が行けない所も軽々行ってしまえるので
これまでにない食材が集まった
千空が見つけた硝酸を使って燕の石化を解く手がかりを試す日々
そして大樹くんがみつけたブドウでアルコール作りが始まった
私はアルコール作りに必要な器なんかを作っていく
ワインならワイングラスも作ってみよう
そうしてアルコール作りに励む間に冬を越し
次の春、ついにそのときは訪れた
千空が調合した硝酸とアルコールを混ぜた腐食液
気が遠くなるほど、何羽も試し、何杯も作り
その成果が芽吹く時
「教えてやるよ翼、デカブツ
"科学ではわかないこともある"じゃねぇ
わからねえことにルールを探す
そのクッソ地道な努力を科学って呼んでるだけだ…!!」
千空が腐食液をかけた燕の石化が解け
大空へと羽ばたいた
『キレイ…』
「うおおおおおお!!」
「実験始めて一年…第100何十回目か?
意外と早かったな ククク地道なもんだ
ファンタジーに科学で勝ってやんぞ
唆るぜこれは…!」
『これでみんなを助けられるね』
「大樹 テメーのブドウの手柄だ
最初に助ける人間くらいテメーで決めろ」
『聞くまでもないよね』
「ああ!ありがとう千空!
答はもちろん決まっている!」
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