霊界探偵編
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次の対戦相手は青龍
対戦する前に現れたのは桑原に破れたはずの白虎だった
そんな白虎を青龍は凍らせ蹴り砕いた
「胸クソワリーぜちくしょーが
オレがぶっ殺す!!」
「待て!幽助
その怒りはとっておけ……
最後の朱雀を倒すためにな」
飛影は幽助を制し青龍の前に出た
そして着ていたマントを脱ぐと白虎の亡骸に被せた
「初めて見る飛影だな
…以前の飛影なら青龍と同じことをしていたんじゃないかな
でも今の飛影は青龍の行為を見て明らかに不愉快になっている
飛影もそんな自分自身にとまどっているみたいだが…
ただひとつはっきり言えることは
飛影をおおっている全身の闘気が今までに感じたことがないほど強い!」
飛影は剣を構えすれ違い様に青龍を切り刻んだ
「貴様のツラは二度と見たくない」
「い、いつの間に切ったか全然見えなかった」
「オレすら初太刀以外は何度切ったかわからん」
「ち、ちょっと見直しちゃったかな」
「すげーぜ飛影!!圧倒的に強いじゃねーかよ!!」
『幽助、何回切ったか見えた?』
「8回くれーまでは数えられたんだがな」
『…ちょうど半分か……ばぁちゃんならぶっ飛ばされてるね』
「げ!やめろよなー!」
「何回切った?」
「……16回だ」
「翼は見えてたって訳か」
『でも速くて驚いた』
「ふんっ」
「くそ!やるじゃねーか飛影!
こりゃマジでもっぺん戦ったらオレがやられるかもな」
「……さぁな」
「え?飛影?てっきり当たり前だとかゆーと思ってた」
「彼はここにきて変わりつつある
少しずつあなたにひかれているようだ」
四聖獣も残すは朱雀のみとなった
▽
幽助が人間界のぼたんとコンタクトを取ると
魔回虫にとりつかれた人間に螢子とともに囲まれていた
時間がないことを知り四聖獣最後の一人の元へと走り出した
朱雀がいる塔の入り口をみつけるがその回りを痛みも恐怖も感じない養殖人間が囲んだ
「くそ面倒くせー!!
オレのショットガン式霊丸百連発でコナゴナにしてやらあ!!」
「冷静に!!無駄に霊力は使わないで
あせったら朱雀の思うつぼですよ!!」
「だがそうして突破するしか方法はねーだろ!!」
「ある
ヤツらの上を見ろ、あの窓から行ける
オレに名案がある」
桑原が蔵馬を、蔵馬が飛影を肩に乗せ
なるべく塔の近くまで走る桑原のまわりの養殖人間を翼が退け
幽助が3人を足場に窓へと飛び移った
「!!やったぜ!!」
「桑原!!蔵馬!!飛影!!翼!!サンキュ!!
無事に戻ったらおごるぜ」
「死ぬんじゃねーぞ」
幽助は朱雀の元へと走った
残った4人は大量の養殖人間を片っ端から倒していった
▽
たくさんいた養殖人間も少なくなってきたとき
翼は幽助の気をとらえた
『(幽助…まさか生命を、燃やしてる…?)』
怪我人が二人いるとはいえこんなところで足止めを食らっている場合ではなかったとかすかに後悔した翼は
霊波動を一気に高め自身の両腕に纏った
『3人とも伏せて…』
「「「!!」」」
ただならぬ翼の気配を感じた3人は一気に伏せた
一瞬で養殖人間は地に散らばった
『先に行く!』
塔を駆け登る翼の姿はあっという間に見えなくなった
「速ぇ…」
「くそ、あいつ本気を出していなかったな」
「最初に手助けに来たわけじゃないって言っていたしね」
「それにしてもすげぇ気だったな」
「行こう、確かに幽助の気も気になる」
3人も翼の後を追い塔を登った
▽
翼が塔の最上部へたどり着いた時
幽助は生命を燃やして作った力を拳に込め
虫笛もろとも朱雀を倒した
『(ムチャさせずについていくべきだった…)』
闘いを見届けた所で桑原と蔵馬と飛影が追い付いてきた
「…まずい、霊力をほとんど使いはたし心臓が止まりかけている」
幽助を看ていた蔵馬に場所を変わってもらった翼は
自身の体内で霊力を高まらせた
『死なせない…』
人差し指で口を覆っていた布を下げると
翼はそのまま幽助に口付けた
「なっ!!なにを」
「しっ…君にもわかるはずだ
翼の体内で高められたすさまじい霊力が
幽助に移動していっている」
翼が唇を離すと
弱々しさがなくなった心臓の音と
かすかだがたしかに繰り返される呼吸を確認し
幽助に覆い被さるように気を失った
「翼ちゃん!?浦飯!?大丈夫かっ!!?」
「心配いらないみたいだ
幽助は一命をとりとめ、翼は霊力を幽助に渡した疲労と安堵で気を失ってるだけ…
どうやらふたりとも人間界まで運ばなければならないようだね」
「ちっ…世話のやける奴らだ
全く不可解だな
なぜ自分をけずってまで他人につくすんだ」
「しかし、だからこそ朱雀に勝てた」
「……まあな
オレには到底マネできんがな
他人のため、しかも勝敗の見えん闘いなんぞ」
「幽助が負けていたらその発言はなかったと思うけどね」
「……最近お前ひとこと多いぞ」
無事に任務を終え5人は人間界へと帰った
▽
人間界に着くと蔵馬に抱き抱えられていた翼が目を開けた
『ここは…』
「人間界に今帰ってきたところですよ
貴女は幽助に霊力を注ぎ込んで気を失っていたんだ」
『そか、ありがとう蔵馬』
翼は蔵馬から離れ地面に降り立つとぐらりと体が揺れた
それを蔵馬がとっさに支えた
「まだ調子が戻ってないから危ないよ」
『大丈夫…それより幽助は』
「ここにいるぜ!」
桑原は抱えていた幽助を見せた
「貴女のおかげで幽助も無事です」
『そう、良かった…』
「貴女は幽助のことが…好き、なんですか?」
『好き…?分からないけど、幽助は…大切』
「大切?」
『うん、ばぁちゃんしかいなかった私の世界を広げてくれた
いろんなこと教えてくれるし、大切』
「こいつが…?」
『うん、幽助の大切も大切…
だから桑原も蔵馬も飛影も大切
じゃ、またね』
そういって翼は姿を消した
「ふんっ…くだらんな」
飛影も姿を消し
「なるほど、楽しくなりそうだ…
それじゃぁオレは霊界に報告に行くとするよ」
と蔵馬も去り
桑原は幽助を抱えて家路についた
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