魔界編
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暗黒武術会も終わり元通りになった
かと思いきや私の力はまだ戻っていなかった
「ヤツ(戸愚呂)は幽助と本気でやりあうために
障害となりうるものを排除しておきたかっただけだろう
幽助が最悪負けたとしてもお前がいる、
と考えないように戦えるお前が使えない方がいい
だが完全に力をなくしたわけじゃない」
『体の中に力は感じる
放出していない分いつもより多く感じる気がする』
「恐らくヤツが押したツボなら数日で体内の力が修復するはず…
だがまだ治らないとなると、お前が原因かもな」
『私が?』
「大きなショックによって受けた精神的なストレスから
霊力と妖力がうまく操れず反発しあって
修復ができないのかもしれん」
『ばぁちゃんは戻ってきたからもう大丈夫じゃ…』
「一度受けたストレスはなかなか治らんのだろう
もともとお前はふたつの力の扱いが下手だったからね
あとは大きなショックで戻ることもあるだろうが
それは今のお前にとっては危険な賭けだ
より悪くなることもある
ゆっくり休養とりながら力が自然に戻るのを待ちな」
力が出せないだけで妖怪や霊は見える
なんなら体術で倒せるから問題はなかった
けれど私の体はよくなるどころか少しずつ悪化していた
原因は恐らく放出できない霊力と妖力が体内で増大し続けている上、反発しあっていること
それから蟲寄市の異変
魔界の障気が濃くなったことで、ただでさえ弱っているのに半端な私はあてられているらしい
日に日に頭痛と吐気がひどくなっていく
ばぁちゃんのもとに相談に来ていた、突然能力に目覚めた人間3人組を連れて
ばぁちゃんは幽助たちを四次元屋敷に呼び出した
私は留守番…何かが起ころうとしているみたい…
▽
四次元屋敷では妙な能力を手にした人間がでできたことを知った幽助達
左京の遺志を継ぐ者が魔界の穴、界境トンネルをあけようとしていることが原因だった
その穴が広がりきる前に穴を広げている者を見つけることになった
幽助達は心が読める能力者を味方につけ
首謀者と6人の仲間がいることを突き止めた
その一人"医師ドクター"と相まみえたが重要な手掛かりは得られなかった
次に力を失っている桑原のもとへ"水兵シーマン"が現れた
友達を人質に取られた桑原は土壇場で次元を切り裂く能力を目覚めさせた
▽
連れ帰った水兵こと御手洗は
黒の章という人間の犯罪録が記録されている極秘テープで価値観が変わったと言った
人間は生きていてはいけないと…
助けを求める御手洗の心を結果的に桑原が救った
コエンマから聞かされたこの件の首謀者は
仙水忍、霊界探偵だった男
正義感の強い男だった
最後の指令の内容は魔界に通じたトンネルをふさぐこと
パートナーの樹と仙水を現場に向かわせた所
人間が妖怪を弄ぶ非道な現場に遭遇し、
そこにいた全ての人間を殺した
人間の存在そのものに悪を感じて
十年ほど前に行方をくらましたと…
ガチャ
話を遮るように玄関のドアが開いた
皆が視線を向けるとそこには翼がいた
『ばぁちゃん…』
「翼、お前なぜここに…」
「体調が優れないと聞いたが…」
「オメー大丈夫か!?」
翼が話をしようと顔をあげると
部屋の奥にいた人物と目が合った
『っ!!!』
ガタンッ
『お前…どうして、ここに…』
「……翼…」
『うっ…げほっ…』
「だ、大丈夫ですか?!翼…」
『来るな!!』
駆け寄ろうとした蔵馬を拒否した翼はその場から逃げ去った
「翼、一体…」
「…」
一同が混乱する中
向かいの建物の屋上に仙水の気配を感じた
御手洗を狙撃させた仙水は刃霧に告げた
「次元刀だ
桑原なら結界を破ることができる!!
人間界と魔界との間に張り巡らされた亜空間結界をな
まずは桑原を捕える
他の奴は全て殺して構わん
刃霧…お前は翼という少女を捕えろ
見失ったといっていたが、ここに現れるとは運がいい
あの莫大な力は役に立つ」
「はい」
▽
『(なぜあいつがここに…)』
幽助の部屋から飛び出した翼は逃げ場を探していた
蟲寄市から離れるべく歩みを進める翼のもとに刃霧が現れた
『誰…』
「随分探したぞ、あの山から」
『私を狙っていたのはお前か』
「莫大な力を溜め込んでいる気配がすると仙水さんが教えてくれた
一緒に来てもらうぞ」
刃霧が撃ったサイコロを見切り、後ろに引きながら掴むことで威力を弱めた
『(力が使えないのは痛い…
それにこんな街中では、)』
「考え事か?余裕だな」
刃霧は通行人に向けてわざとゆるめに撃った
当てさせないよう自分の腕ではじくと予測し
その隙を狙い首筋に当てて気絶させた
「こいつが本当に役に立つのか?」
刃霧は翼をバイクに乗せて走り去った
▽
幽助と桑原に相対した仙水は告げた
「穴が広がりきるまであと2日」
「何!」
「意外そうな顔だな 、もっと後だと思っていたか?
そう思ってると思って教えてやったんだがな
今頃手に入れた彼女さえいれば時間が大幅に短縮される…」
「彼女…?まさか!!」
「翼といったか巨大な力を有するものを一人で置いておくとは…
あの結界では妖怪にしか効かんからな」
「まさか家に…翼を襲ったのか?!」
「ああ、まんまと撒かれてしまったがね
今頃は"狙撃手スナイパー"が捕らえた頃だろう」
「翼を、捕らえただと?!
…翼の気が感じられない…くそ!」
「待て蔵馬…単独行動するな!無闇に探してもみつからん」
「ですが…!」
「あいつに翼の居場所を吐かせりゃいいんだろ…?」
幽助は仙水に近付いた
「よォ先輩、聞くところによると
トチ狂ったそうじゃねーか」
「それは誤解だな…真実に目覚めたのさ」
「止めるぜ
翼の居場所も吐いてもらうぜ」
「ムダだ」
幽助が攻撃を仕掛けるも攻撃を流された
上半身で防御し足蹴りで敵を粉砕する裂蹴拳にさらに霊力をミックスした霊光裂蹴拳の使い手である仙水
仙水は裂蹴紅球波で御手洗とぼたんのいるマンションの一室付近へ攻撃した
桑原と蔵馬も加わり3対1での対決になったその時
車に乗った二人組が乱入し
一人の男が指を伸ばして桑原を捕らえた
その車に仙水が飛び乗ったため幽助が思わず霊丸を放つも
仙水によって相殺され逃げられてしまった
車を追い、幽助が自転車に乗り追いかけた
山道まで追いかけた所で後ろから来たバイクに自転車を狙撃され幽助は道路に転がった
バイクに乗る刃霧は仙水の乗る車に近寄り抱えていた少女を託した
「もしかして翼!?くそっ!
てめーら返しやがれ!!」
幽助は刃霧に死紋十字斑をつけられ、石や刃物やトラックで狙われた
それを助けたのは飛影だった
「死ぬのは少し早いぜ
面白いものが見れるのはこれからだ
懐かしい風だぜ…心地よくて落ち着く
腐った血と肉が混じりあった魔界の風だ
見ろ、もうすぐ地獄のフタが開く」
桑原と翼を捕らえられ頭に血が上った幽助に飛影が斬りかかり
ふたりが激突した
久々に全力で暴れた幽助は頭を冷やして落ち着きを取り戻した
「飛影、一緒にきてくれ」
▽
狙われたマンションはひどい有り様だったがふたりとも命に別状はなかった
騒ぎが大きくなる前に幽助の母親にその場を託しマンションを去った
「これからの話をしたい所ですが、その前に
コエンマ…聞きたいことがあります」
「…」
「翼は部屋に入ってきたときひどく驚いていた…貴方を見て」
「もしやとは思っておったがやはり…」
「…あやつはわしのことを見たくもないだろうな」
「…まさか!数年前翼がある場所から逃げ出したって…」
「あぁ、翼は昔、霊界にいた
いや、霊界で捕らえていたというのが正しいか…」
「翼が霊界に…!?はじめて知りましたよ…」
「捕らえて…!?翼は何をして…」
「魔界にいた翼が霊界の使いを殺めかけた疑いで霊界に連れてきていたと聞いたが」
「そんなことで…?」
「翼の妖怪の姿は一際美しくてな…見るものを魅了した
わしも、その一人だった…翼を幽閉してしまうほどに…」
「何…?!」
「その後、翼は混乱に紛れて人間界へ逃げた」
「それであたしの私有地で転がっていたんだな
あの子はあまり妖力のみを使いたがらなかったのはそれでか…」
「コエンマ様もその姿の時に翼と会おうとしなかったのはそれでなんですね…」
「翼には申し訳ないことをした…
謝りたいと思っている
もちろん、謝ってすむことではないと分かってはいるが…償いはするつもりだ」
「正直オレは今、霊界を敵にまわしてもいいと思っている…
だがそんな状況でないことは分かっている
今は翼と桑原くんを助け仙水を止めることが先決だ」
「そうだな…全てのカタがついたときにはあたしはお前に一発食らわせてもらうよ…覚悟しときな」
「…甘んじて受けよう」
幻海と蔵馬は怒りを収め今後の話し合いを進めた
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