はじまり
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次の日俺は博士の家に向かった
博士の家には当然翼がいる
きちんと話を、しないと
でもとりあえず博士に相談するか…
正直に話すかそれとも危険が及ばないように隠し通すか
博士の家の裏口から作業部屋の方にいけば
翼の部屋は遠いから会うこともないだろう
そう思って静かに裏口に回り
「博士ーいるかー?」
小さな声で博士を探してみる
『今トイレに行ってるよ』
「なんだ、そっか…」
え
そこにいたのはぽっちゃりした博士とは正反対の体型で
ラフな部屋着姿で紅茶を飲む翼の姿があった
やばい、いつものトーンで言ってしまった
翼に会わずに、なんてこれは危険な賭けすぎた
博士の家に翼が住んでいるんだからどこにいたっておかしくない
冷静さをかいていたと
口をぱくぱくさせて冷や汗を流すオレをみて
翼は優しく口元を緩めて笑った
『ふふ、いつもは完璧な新ちゃんだけど
動揺してるときはほんとに隙があるし甘くなっちゃうね』
笑う姿に焦る反面笑う姿にホッとした
昨日最後に見た顔は一瞬だけだったけど
泣き出してしまいそうだったから
「いや、あの…」
『ごめん、私いない方がよかったね…
多分もうすぐ博士出てくると思うから、
じゃぁね?』
まさに思い浮かべていたような昨日見たあの表情で
部屋を去ろうとする翼をみて
オレは思わず叫んでいた
「翼!ちがうんだ!!」
『っ?!』
翼の足が止まった
言っちゃだめだ、
翼を巻き込むのか…
「翼のことを信じてない訳じゃない
その、大切…だから
巻き込みたくないんだ!」
『新ちゃん』
「翼…」
『巻き込むんじゃなくて、力になりたいの』
「…っ」
『詳しいことは分からないけど
なんらかの方法で小さくなってしまったんでしょう?
蘭ちゃんに相談するどころか隠しとおすなんて
それこそよっぽどの事情があるはず…
博士の家にいるなら立ち回りやすいのに
蘭ちゃんの、小五郎さんのおうちにおじゃまするってことは
なんらかの情報が入ってきやすいから
高校生探偵として名前が売れてる有名な新ちゃんに手をかけるなんて
それをしたのは相当な、相手のはず』
昨日のコナンとの出会いでここまで見破られるとは思ってもなかった
『なにか訂正することはある?』
「いや、ねぇよ…」
『私に隠し事、できると思ってるの?』
「いや……そうだな、
やっぱ洞察力では翼にはかなわねぇや!」
『新ちゃんもまだまだね』
「そういえばオレも蘭も珍しく風邪引くときは
自覚症状もないのに先に翼が気付いてたよな」
『それだけ2人のこと大好きだから気付いちゃうんだもん』
もうなに悩んでたのかってバカらしくなった
自然と2人で笑いあっていた
ガチャ
「おお、新一くん!来とったのか
…
わ、翼!!ちがうんじゃ!
えーと、コナンくんが…」
オレの正体をばらしてしまったと思ったのか博士はうろたえだした
「もういーよ、博士…
すでに翼にはばれてたみたいだから」
「なんと!ほんとか翼!」
『うん…で、話してくれるよね?』
すべてを話した
翼はこんな突拍子もない話だけど真剣に聞いてくれていた
『つまりその黒ずくめの男たちを捕まえるなりなんなりして
その薬か情報を手に入れることが出来たら
身体も元に戻るかもしれないんだね』
「あぁ…だけどあいつらはきっと目的のためなら手段を選ばないやつらだと思う」
『うん、そうだね…』
「この事を知った翼にももしかしたらやつらの手が…」
『安心して?』
緊迫した話の中で翼は笑ってみせた
『私には悔しいけど…
探偵のお父さんもいなければ警察関係者の知り合いもいないの
ましてやそんな裏社会の人たちのことなんて調べようがない
首つっこみようがないよ』
「…」
『危ないこともしないから、
だからっ!
これから何があっても私に隠し事はしないで!
黙って危ないことしたり、消えちゃったりしたら許さないから…』
うつむきながらオレの手を取る翼の姿に
あぁ、と声をかけるしか出来なかった
『約束だよ、絶対だからね!』
そしてオレたちは作戦会議をして、
小五郎のおっちゃんをオレの手で名探偵にして仕立てあげることから始めることになった
そして博士には蝶ネクタイ型変声器ををもらった
『じゃぁ、無茶はしないでね?
なにか都合が悪くなったらフォローするから、いつでも言ってね』
別れ際、最後にと翼に
『ちっちゃい頃の新ちゃんかわいいー!!』と
さんざん抱き締められ
真っ赤になった顔を隠すようにオレは博士の家を飛び出した
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