ベルモット編
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通りを封鎖するほどの人数がこのあたりに待機しているみたい
これはあの人のいう通り早く立ち去った方が賢明だ
間違えて発砲されてもかなわない
『蘭ちゃん、新ちゃんを探しに行こう』
離ればなれになるのはよくない
「し、新一~…」
廃ビルを入ってすぐに
雷の光で見えたのは血痕…
『血の、跡…』
「し、新一~!」
『待って、蘭ちゃん!』
血痕は出入口から続いていた
ハンカチを探しにいく新ちゃんは流血するようなケガをしていなかった
出入口付近で何かあれば気付くはず
これは新ちゃんの血じゃない
さっきの人たちが一戦交えたって言ってたから
もしかしたら犯人の血かも知れない
蘭ちゃんの追いかける先にいるのは…
走り出して行ってしまった蘭ちゃんを
追いかけなきゃ
『お願い!止まって蘭ちゃん!!!』
ドアをあけ、階段を見上げると飛び込んできた状況にがく然とした
「逃げろ蘭!!
そいつは例の通り魔だ!!」
上の階から叫ぶ新ちゃん
階段の踊り場で銃を持ちお腹から血を流す銀髪の男
そのすぐ近くで立ちすくむ蘭ちゃん
蘭ちゃんを助けようと走り出したとき
男がサイレンサーをつけようとして階段の手すりにもたれた瞬間に手すりが崩れて男が落ちた
その男を間一髪でつかんだ蘭ちゃん
「何してるの!早く私の腕につかまって!!
は、早くしないと…雨で手が…」
「くそっ…世話の焼ける野郎だぜ…」
それを支える新ちゃん
すると落ちそうになっていた男は軽々と上へ戻ってきた
よかった…
「な、なぜだ?どうしてオレを助けた?
いったいどーして!?」
「フン…
わけなんているのかよ?
人が人を殺す動機なんて、知ったこっちゃねーが
人が人を助ける理由に
論理的な思考は存在しねーだろ?」
蘭ちゃんはその言葉を聞いて安心した様子でそのまま意識を手放した
新ちゃんは発砲しそうな男に
発砲すると警察が来ること、次に会ったら容赦しないと伝えた
『理由は分かりませんが、あなたが奪ってきた命と
蘭ちゃんが助けたあなたの命を
どうかよく考えてください…』
私達は犯人を置き去りにして、
黒色の長髪の男の人が教えてくれたように
表通りに出てタクシーを拾いホテルへ帰った
その後のニュースで通り魔は拳銃で自殺したことを知った
▽
あのときの髪留め…
あれから直すことなく置きっぱなしにしていた
それを手に取ると記憶が鮮明に浮かんでくるようだった
!
あの時の黒い長髪の男の人…
髪の長さは違うけど鋭い目の感じ
赤井秀一、さん…
たしか駆けつけた仲間の人たちの来ていた服は
FBI、だった…
曖昧な記憶だし
赤井秀一さんがFBIだと決まった訳じゃない
でも、だとしたら…どうして日本に…
謎は深まるばかりだ
_