はじまり
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ー数日前ー
園子ちゃんが劇の練習中に手首を捻挫したことで騎士役ができなくなった
誰もできそうにないので再びおにーちゃんにお願いをしに閉まる直前の新出医院へ行った
『おにーちゃん…』
「どうしたんだい?翼ちゃん」
『お願いがあって、きたんだけど…』
「もしかして騎士役のこと?」
『うん、一度断られてるからお願いしにくいんだけど…』
「誰かできそうな人は?」
『私は2人の練習に付き合ってたから台詞を覚えてはいるんだけど
蘭ちゃんに見合う身長がないし
声もはれないから
私…じゃ役に立てなくて……』
「うーん…」
『……』
「……」
『あの、困らせてしまうくらいなら大丈…
「わかった引き受けようか」
『本当!?』
「その代わり…」
『その代わり??』
「劇までのあと数日、翼ちゃんが練習に付き合ってくれるかな?」
『私でいいの?』
「君は部活に入ってないし台詞も覚えてるだろう?」
『んー、私でよければ!頑張ります!!』
私の返事を聞き、おにーちゃんはくすくすと笑っていた
▽
「じゃぁ練習お願いしますね」
『は、はい!』
放課後、おにーちゃんの空いている時間に少しでも役が覚えられるように
練習をすることになった
学生時代何度も主役をしていただけあって
おにーちゃんの騎士役は完璧だった
練習要らない気がするんだけど…
『一度ならず二度までも…
私をお助けになる貴方はいったい誰なのです…?
ああ…黒衣をまとった名も無き騎士殿…
私の願いを叶えていただけるのなら…
どうか漆黒の仮面をお取りになって素顔を私に…』
「おお…それが姫のお望みとあらば…
醜き傷を負いしこの顔…
月明かりの下にさらしましょう…」
『あ、貴方はもしやスペイド…
昔、我が父に眉間を斬られ庭から追い出された貴方が…
トランプ王国の王子だったとは…
ああ…幼き日のあの約束をまだお忘れでなければ…
どうか私の唇に…その証を…』
そのまま腰を引っ張られ後頭部に回された手によって動けなくなった私は
とりあえず目を閉じた
…
…
うっすらと目を開けると
唇がくっつきそうな距離のおにーちゃんと目が合った
『…おにーちゃん?長くない?///////』
「そうかな?」にこっ
劇の練習とはいえ近い距離にどんどん顔に熱が集まるのを感じた
『おにーちゃん…恥ずかしいって…』
「ごめんごめん、反応が可愛いからついね」
『/////////』
「相変わらず翼ちゃんはうぶだね
次は本当にしてみたくなるな」
『おにーちゃん…私のことからかって楽しい…?』
「まぁね」にこにこ
『…』
「翼ちゃんのお姫さま役も似合ってますよ」
『ぅ//////もう勘弁してよ!』
「それよりおにーちゃん呼びはもうやめようか?」
『どうして?』
「翼もいい年なんだし」
『えー、じゃぁ…智くん』
「うーん、今はそれでいいか…」
『?
変なおにーちゃん…』
「ほら、違うだろ?」
『あ、智くん…』
「頑張って慣れてね」
なんとか、からかわれつつも
劇の練習を行い、無事に劇に間に合わせることができた
正直なところ、智くんは練習しなくても行けそうな気がするけど…
まぁいいか
▽
そして劇の当日
元に戻った新ちゃんに黒衣の騎士の衣装を渡して園子ちゃんに伝えた
智くんには直前で本当に申し訳ないけど騎士役を代わって欲しいことを告げた
そしてこっそり舞台の上で蘭ちゃんと会えるように
智くんと劇中は隠れることにした
そして劇が始まり
舞台上に蘭ちゃんと新ちゃんが!
いい感じになってる!
新ちゃん…想いを伝えられたらいいね
そう思っていた瞬間に
客席から悲鳴がおきた
_